毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。今回は3月9~10日に開催された開幕戦鈴鹿2&4です。
* * * * * * *
ロードレースファンの皆様、ご無沙汰しております。
オフシーズンはいかがお過ごしでしたでしょうか?
お陰様で当ブログの連載は4シーズン目となっています。
とは言うものの、ぢつは連載は決まっていないため、内容について頭を抱えながら、例年になく早い開幕戦を迎えたのでした。
いつものごとく、レース内容は編集部にお任せし、私の視点でお送りします。
それでは、試行錯誤の当ブログをご覧ください!
2023-2024年の冬はご存知の通り暖冬で、寒さが苦手な私としては非常に過ごしやすい冬でしたが、開幕戦は一変、非常に寒いウイークとなりました。
今シーズンの8耐トライアウトは次戦のもてぎで行われるため、純粋に1レース。
しかしながら、予選日の土曜日は雪がぱらつき、残念ながらJSB1000の予選は中止となってしまいました。
気温はもちろんのこと、鈴鹿サーキットは冷たい風が吹き付け、体感温度はかなり低かったと思います。
例年、筑波ロードレース選手権がこの時期に開催されており(今シーズンも3/9開催)、寒い中始まる私の開幕は通常営業ですが、さすがに3日間のこの寒さには参りました。
「寒い」しか発言してないのではないかというほど寒かったです。
写真は予選に代わって行われた選手トークショーの後に撮影した記念写真です。
私は正月に富士スピードウェイを走行した経験がありますが、ほとんど効果がないと考えていたパンチメッシュが絶大な効果を発揮している事実を体感しています。
ツナギ着用とは言え、かなり寒いはずです。
事実、選手も防寒対策を行っています。
単純にベンチコートにハロゲンヒーター。
グローブの内側にゴム手袋を装着している模様。
そのようなコンディションにもかかわらず、キャンギャルの皆様には脱帽せざるを得ません。
ここで、私の寒さ対策アイテムをご紹介しましょう。
まずは単純にアンダーウェア、ユニクロのヒートテックです。
とにかく寒がりなので、冷えないように気を付けています。
ただし、ダッシュすると汗だくになるという諸刃の剣。
余談ですが、シューズはメリルのモアブを愛用しています。
記憶が曖昧ですが、写っているのは4~5代目のはずです。
雨の日に長靴を履くのが嫌なので、ゴアテックスの当シューズでしのいでいます。
ゴアテックスとはいえ足を完全に覆っているわけではなく、足とシューズの隙間から浸水するのが玉に瑕。
手の防寒対策は、スポーツ用のグローブの上に指ぬき仕様を被せて二重に。
外側のグローブは滑り止め付きでグリップもばっちり(毛糸だとカメラが滑る)。
これであれば、指先のフィーリングを失わずに防寒対策ができます。
ポイントは『二重』。
グローブを二重にしているため、手の甲側にホッカイロを入れられます。
外側のグローブは安物を購入し、親指と人差し指を切り落として使用していたこともありました。
カメラ用品として指先を外せるグローブが販売されていますが、指先だけとはいえ、やはり素だと寒いので、私はこのように自作しました。
このような工夫も楽しんでいます。
あれ……アイテム紹介っていつもと変わらない……
これではいかんッ! 気を取り直して……
今シーズンの全日本ロードの話題は豊富ですが、やはり『初物』を取り上げないわけにはいきません。
スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)で2年連続チャンピオンを獲得しているアルバロ・バウティスタ選手が駆っているマシンと同じ仕様となるPanigaleV4R。
「WorldSBKのチャンピオンマシンが走る」これに注目せずに「カメラマンから見た全日本ロード」は成り立たないでしょう。
昨春、オーストラリアに行っておいて本当に幸運でした。(/bike/920171)
上記の写真となるべく近いカットを引っ張り出してきました。
写っているのはほとんどがカウルのためその内部はあまり分かりませんが、ブレーキキャリパーとサイレンサー、ステップ形状の差異が確認できます。
サイレンサーを確認しようと写真を見比べていたら発見しました。
スイングアームに同じ認証番号『0017』のステッカーが!
ということは、DUCATI Team KAGAYAMA Panigale V4Rは2023年モデルなのでしょう。
同じマシンに海を越えてまた再会できるとは、非常に感慨深いです。
あれ……この切り口、『“ヘンタイ”カメラマン現地情報』と同じ……
これでは二番煎じになってしまうではないか!
ちなみに、Panigale V4Rの全日本ロードデビューは2位。
デビューとしてはかなりの上出来だと思うのですが、水野涼選手はこの結果に納得していないのでしょう。
記者会見中、中須賀克行選手の方は一切見ず、唇をかみしめるシーンさえもありました。
がんばれ若人!
あれこれと考えた挙句、やはり「私の視点を大事になければッ」と思い付いたのがこちら。
二輪と四輪のアイテム比較!
右手が二輪用のグローブ(写真左)、左手が四輪用のグローブ(写真右)です。
撮影にはalpinestarsサポートの牧野任祐選手に協力してもらいました。
alpinestarsは二輪四輪用品全般を扱っている、イタリアの老舗メーカーです。
二輪も四輪も同じモータースポーツですが、選手の装備は全く異なります。
説明してもらったのは毎度おなじみalpinestarsのレーシングサービス、二輪担当中村さん、そして初登場、四輪担当(SPK株式会社)下岸さん。
毎度の如く、アポなしの突撃取材にもかかわらず快く応じていただけました。
同じモータースポーツとはいえ、二輪と四輪は全く違う乗り物であり、装備品の設計思想も異なります。
二輪はライダーが転倒した際に怪我をしない(滑走するよう)につくられていますが、四輪は難燃性、にその主眼を置いているそうです。
取材を進めているうちに「おもしろいので、記事にしましょう」と編集部。
というわけで、装備品の詳細は別記事にてじっくり考察します!
……いかがでしたでしょうか?
毎度頭を抱えながら執筆していますが、今回はいつも以上に頭を抱えながらの作業となりました。
結局どこに行きつくのかわからないまま、いつもと同じような内容の気がしますが、編集部の要望には応えられたのでしょうか?
今シーズンは開幕戦から緊張する「2&4」で、しかも予選が中止になるくらいの寒さの中、試行錯誤でウイークを過ごし、終わってみればどっと疲労感に襲われました。
果たして連載となるのか……
皆さんのクリックにかかっています!よろしくお願いいたしますッ!