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シミュレータで過去の記憶も覚醒! 右京さんがヒリヒリした「ティレル022」

2015年12月07日

無題

本当に、ご無沙汰してしまいました(汗)……GP Car Storyの三橋です。

2015年はフェラーリF187にはじまり、ジョーダン191・フォード、ウイリアムズFW11&11B・ホンダ、スピンオフでは新しい試みとして“シーズン切り”の1993年をとりあげてきました。


そして2015年のトリを飾るのは、ティレル022・ヤマハです!



022がデビューしたのは、いまから21年前の1994年。この年はF1の歴史において悲劇のシーズンとして記憶されていますが、GP Car読者の方々の多くは、きっとリアルタイムでご覧になられていたと思います。

みなさんにとって、あの年のティレル・ヤマハはどのように写っていたでしょうか。サーキットを疾走する純白のマシンに、ドキドキ、ハラハラした人は多かったのでは? 自分は、まさにそのひとりでした。セナがいなくなり、胸にぽっかり空いた穴を埋めてくれたのは、誰あろう022をドライブしていた右京さんだったのですから。

ホッケンハイム、5番グリッドからのロケットスタートには興奮しましたね! セカンドロウに並ぶミハエル・シューマッハーとデイモン・ヒルをぶち抜き、あれよあれよと2番手に上がってしまったあのレースを、94年の右京さんのベストにあげる人は少なくないでしょう。

ですが、私個人として「記憶に残るレースは?」と聞かれると、モンツァなんです。レース序盤、フェラーリ勢とウイリアムズ勢に次ぐ5番手を右京さんは022とともに走行していました。それも引き離されることなく同じペースで……。それまでの日本人レギュラーたちの戦いを考えると、フェラーリやウイリアムズと同等に競り合い、追いかけまわすなど、まさに夢物語。固定概念を覆す、右京さんの走りを目の当たりにして「これは本物だ」と感じました。

結局この年、何度も起きてしまうマシントラブルによって、モンツァも他の多くのレース同様に右京さんと022は戦線から離脱することになります。「またか……」と、ため息とともに脱力感が全身を覆うのですが、結果はともかく、あのときの右京さんほど日本人ドライバーの「勝利」の瞬間を感じたことはありませんでした。



そんな右京さんを輝かせてくれた022は、言ってしまえば、なんの変哲もないマシンです。ティレルの代名詞だった「アンヘドラルウイング」もなければ、カラーリングだってブルーがチームカラーだったのに、白一色(唯一あるのはマイルドセブンのライトブルーだけ)……第一印象は正直「えっ!?」でした(笑)。

ただよく見ると、前年のザウバーに良く似ている……なら、そこそこ速いんじゃないか? そんな勝手な妄想を開幕前にふくらませていたのは、いまでも覚えていますね。



022を一言で言い表すなら「速いが脆い」これに尽きます。では、なぜそうだったのか? そこはデザインを担当したガスコインやミジョー、そして当時のハーベイさん、さらにはエンジンを供給していたヤマハの木村さん(現ヤマハ発動機・副社長)の言葉から読み取っていただければ、022の「速くて脆い」理由を理解していただけると思います。



もちろん、今号の主役たる右京さんにもお話を伺っています! 実は右京さんには、昨年刊行のVol.7「ウイリアムズFW16」の誌面で、ライバルとして94年のウイリアムズを語ってもらった際に「来年は右京さんのクルマをやります。だから復習しておいてくださいね(笑)」と、内々ですが宣言させていただいておりました。

あれから20年以上経った、いまだから語れること……94年シーズンが右京さんにとって、どれだけ大きい存在であるのかを語ってもらえたと思います。

もう一点、右京さんがらみで今回の目玉と言えるのが、シミュレーターでの022“仮想ドライブ”です! 右京さんのF1時代にシミュレーターは存在しませんから、実質初体験といってもいい試み。いわく「こんなによくできてるなんてびっくり」と。

やはりホンモノは違います。我々取材陣もシミュレーターに挑戦したのですが、普通のレースゲームとはわけが違い、まともに走ることもままならなかったのに、出だしから抵抗なくスイスイ走ってしまう右京さんが本当にカッコ良かったですね。

面白かったのは、ドライブしながらクルマの不具合をエンジニアに伝えたくなったようで、無意識に無線のボタンを探しながらインタビュー中は忘れていた担当エンジニアの名前を突然思い出したこと。やはり身体に染みついた記憶は何年経っても消えないのでしょうね。

このシミュレーターでの模様は誌面だけではなく、期間限定ではありますがウェブで公開します。誌面からは感じ取れない“動き”であるとか、右京さんの真剣な表情を短い期間ではありますが一緒に堪能していただけたらと思います!


<動画を限定公開中>

http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=70024


GP Car Story Vol.14 Tyrrell 022は、12月8日(火)発売です。みなさん、よろしくお願いします!




<おまけ>

毎度恒例の表紙の漢字三文字。今回は前々から「神風」を使おうかと思っていたのですが、どーもしっくりこず……。悩んでいるうちにふと「覚醒」の言葉が出てきました。「何が覚醒したんだ?」と自問していると、右京さんやヤマハの「力」だとひらめいたので「力覚醒」としたのですが……できあがった漢字を、まじまじと見ていたら、我ながら、なんてタイムリーなんだと! だから狙ったわけではないのですよ、たまたま(笑)。わかる人だけ、わかってもらえれば……。

GP Car Story 編集長
三橋崇司


プロフィール

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グランプリの名車たちが綴る至極のストーリーを1冊に。『GP Car Story』編集部が思い入れたっぷりに送るブログです。

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