ウイリアムズのテクニカルディレクター、パット・シモンズが、フェラーリと広範な技術提携を結んでF1に参戦したハースの手法と、それを可能にしたルールのあり方は、F1にとって正しいことなのだろうかと疑問を呈した。
開幕戦のオーストラリアGPでは、ロマン・グロージャンが6位フィニッシュを果たし、ハースは完全な新チームとしては2002年のトヨタ以来となるF1デビュー戦でのポイント獲得を達成した。ジーン・ハースのチームは、ルールによって自製を義務付けられていないコンポーネント(「ノン・リステッド・パーツ(=非指定部品)」と呼ばれる)のすべてをフェラーリから供給されているだけでなく、マラネロの風洞を利用する権利や、最新仕様のフェラーリ・エンジンも手にしている。
チームが自製しなければならないリステッド・パーツ(指定部品)の数は、近年になってかなり減らされており、それが従来からのF1コンストラクターの地位を脅かしつつあるとシモンズは感じているようだ。
「純粋なコンストラクターであることの意義が、徐々に損なわれてきている」とシモンズは言う。
「あるいは、もはや完全に損なわれたと言いたい人もいるだろう。ハースの手法は彼らにとってはうまいやり方だったが、私はあれがF1の進むべき道なのかという疑問を感じる。ルール上は完全に合法とはいえ、F1は本当にあのような新チームを望んでいるだろうか? 私には迷わずイエスとは言えない」