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2016.06.08

アレジの初優勝に思いを馳せて/GP Car Story Ferrari 412T2


モタスポブログ | アレジの初優勝に思いを馳せて/GP Car Story Ferrari 412T2

みなさん、ご無沙汰です。

GPカーストーリーの三橋です。

いよいよ、本日6月8日に最新刊「フェラーリ412T2」が発売になりました!

お待たせいたしました。

シリーズ16冊目(スピンオフを入れると18冊目ですけど……)となる今号は、GPカーがこれまで取り上げてきた中で“最も新しい”1995年シーズンに活躍したクルマです(とはいえ、もう21年も前のクルマですが……)。

アレジの初優勝(正確には最初で最後)マシンとして、多くのF1ファンに記憶されていることでしょう。

個人的にこの412T2って、古き時代のフェラーリを感じさせる最後のクルマだと感じます。

フェラーリのF1を連想させるものが、この412T2を最後にいくつもなくなってしまっていたこと、みなさんはどれくらいお気づきでしたか?

まずV12エンジンですよね、フェラーリV12の音色はホンダのV12とはまた違った魅力がありました。

それからアジップ……赤いクルマをかこむ黄色いTシャツ(と黒のパンツ)を着たクルーのコントラストが印象的でしたね。

そして、なんと言ってもカーナンバーです。

95年を最後にF1のカーナンバーは、“コンストラクターズ順”という、わけのわからないルールが採用されてしまいます。

これによって、27と28の組み合わせがF1から消えてしまったわけですから、本当にがっかりしました。やはりフェラーリの赤いクルマには27が似合います!

412T2って、こういったフェラーリを連想させる“伝統”を最後に纏ったクルマだったわけです。

正直、もっと勝てたんじゃないかという想いは今でも持っているんです。

95年はベネトンがダブルタイトルを獲得しますが、純粋なクルマのポテンシャルはウイリアムズが一番、その次がフェラーリだったでしょう(ベネトンは3番目)。

なにが足りなかったのかは、本誌をお読みいただきみなさん自身で感じていただきたいところですが、アレジは少なくとも3~4回は勝てたでしょうね。

そのあたりをアレジ本人から直接聞くために、我々GPカー部隊は、3月に鈴鹿サーキットで行われた「ファン感謝デー」に行ってきました。

あの時代のドライバーってどうしてカッコいいんでしょうね。

「なんでこの人は1勝しかできなかったんだろ?」って思うほど、オーラが半端ないんです。

GP Car Storyは、“一応”クルマが主役の本です(笑)。

ですが、412T2の話をする場合、やはりカナダGPのエピソードがメインコンテンツになります。

アレジの31歳の誕生日である6月11日が決勝日、彼が尊敬して止まないジル・ビルヌーブの祖国でのグランプリであり、その名を冠したサーキットで、代名詞である27のカーナンバーのマシンで勝つ、映画のシナリオ以上に出来過ぎたストーリーですよね。

だからこそ、まず彼の“言葉”を読んでもらいたいと思い、今回はアレジのインタビューから始めることにしました。

DSC_1433[1][1]

今宮雅子さん執筆による8ページの大ボリュームインタビューは、きっと満足していただける内容になっていると思います!

アレジの優勝は、個人的にはカナダGPだけでなく、その前のモナコGPから続いていたと思うんです。

みなさん覚えていますか、モナコGP予選初日のアレジの“キレた走り”。

2番手のシューマッハーにコンマ4秒近い差ををつけてのぶっちぎり暫定ポール。

ついにここで初優勝か!? と期待したものでした。

しかし、予選2日目はエンジントラブルが発生。当時は予選中のTカー乗り換えが認められていないため、ベルガーのアタック終了を待って、相棒からマシンを借りなくてはならない状況に。

アタックできたのは1回だけ、それも他人のクルマではベストのパフォーマンスを発揮できるわけもなく5位で終了。

決勝は結局Tカーで出場し、見所なくリタイアに終わったわけです。

当時報道もされていましたが、予選初日以降に後藤久美子さんが帰国してしまい、そこから歯車が狂ってしまった、とも言われていました……そうして迎えたカナダGPです。

アレジの側には最後まで久美子さんがいました、それが凄く印象的で……。

レース後に日本のTVカメラに向かって「クミコの家族には申し訳ないけど、もう彼女は返さないよ」と発したアレジのひと言は、彼の本心以外何ものでもなかったんだろうな、と感じました。

苦しんだモナコを経てのカナダでの勝利でしたから、「クミコはまぎれもなく勝利の女神」、アレジはそう思ったのでしょう。

そんなエピソードがあったので、個人的にはこの年のアレジのカナダGPの勝利は、モナコから続いていた、と思うのです。

今回は編集部的にも久々にやり切った感のある仕上がりになっていますので、ぜひひとりでも多くの方にご覧いただきたく思います!

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リニューアル前の「GP Car Storyブログ」は → http://as-web.jp/blog/gpcar/list.php


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