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スーパーフォーミュラニュース

投稿日: 2015.05.25 00:00
更新日: 2018.02.17 08:16

「攻めようがない」。可夢偉を唸らせた石浦の走り


 2008年以来、実に7年ぶりに開催されたスーパーフォーミュラ岡山戦。天候にも恵まれたこのレースでは、国内での経験豊富な石浦宏明と、昨年まではF1を戦っていた小林可夢偉による、国内トップフォーミュラにふさわしいハイレベルな接近戦が終盤の20周近くにわたって繰り広げられた。

 実はこのふたり、キャリアの初期にはともにこの岡山での訓練合宿に臨んだ経験もある。ただ、キャリアの比較的早い段階で海外へと渡った可夢偉に対し、石浦は国内で腕を磨いてきた。それぞれの舞台でそれぞれの経験を積み上げてきたふたりが、ここ岡山でがっぷり四つの一騎打ちを演じ、その速さを見せつけた。

 結果だけを見てしまえば、今回のレースは石浦のポール・トゥ・ウイン。一見、盤石の優勝だったようにも思える。ただ、決勝日朝のフリー走行で石浦は、4周をしたところでなんとコース脇にマシンを止めてしまう。制御系のトラブルが発生したということだが、「車高すらどうしていいかわからない状態だったので、めちゃくちゃ不安でした」(石浦)と、決勝に向けては盤石とは程遠い状況に置かれた。

 幸いにもフリー走行直後に行われたサーキットサファリでは走り出すことができ、決勝前に行われれる8分間のウォームアップでは距離を走ったタイヤを装着するとともに、燃料も積んだ「苦しめな状態」をシミュレーション。グリッドでも車高の変更などを行ったが、「エンジニアにも『あとはわからないからお願い』と言われていたので、開き直った感じ」と、最後は石浦の腕に託される形でスタートを切った。