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F1ニュース

投稿日: 2015.07.28 00:00
更新日: 2018.02.17 09:27

【レースの焦点】最高のグランプリは、君のもの


 勝者セバスチャン・ベッテルは、ゴールの後の無線で「ありがとう、ジュール。この勝利は君のものだよ」と伝えた。フランス語を使ったのは、きっと、ビアンキの家族や友人たち、フランスのファンに直接その思いを伝えたかったからだ。

 2位ダニール・クビアトも、3位ダニエル・リカルドも、トロフィーを受け取ると空を指差し、それがビアンキのものであることを示した。

 ジュールに捧げる──ドライバー全員が、そう誓って戦ったハンガリーGP。それぞれが、ふさわしいかたちを考えた。

「ジュールは僕らの心のなかに」イタリア語で、こう記されたマシンを駆るベッテルにとってはスクーデリアとして、勝利を捧げることが基本だった。

「この1週間はエモーショナルな意味で、とてもタフだった。(葬儀が行われた)火曜日はもちろん、スタートの前にはグリッド上で再びジュールのことを思い、その後いつものリズムを取り戻すのは、とても難しかった」

 技術的な意味でもトラブル続きの金曜日のあと、リカバーするのは簡単なことではなかった。土曜日には納得のいくバランスを見出したものの、すべてがクリアになったわけではない。ロングランのペースはレースが始まるまでわからなかった。