更新日: 2018.02.17 07:40
【鈴鹿に登場】セナ伝説の第1歩:トールマンTG184
2015年5月23日と24日に、鈴鹿サーキットで「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」が開催される。このイベントには国内外から数多くの名車が集結する。中でも特に注目なのは、トールマンTG184である。
1984年、ひとりの天才がF1にデビューする。アイルトン・セナである。1983年のイギリスF3選手権でチャンピオンを獲得したセナは、中堅トールマンをF1初年度の所属チームに選ぶ。トールマンはF2選手権で活躍し、1981年からF1にステップアップしたチーム。セナがデビューする前年には終盤4戦連続で入賞を果たすなど、中堅チームながらそのポテンシャルを発揮していた。
セナのデビュー戦のマシンはトールマンTG183Bという、前年マシンの改良版。それでも、セナは2戦目で入賞を果たすなど、その才能を早々に発揮しはじめた。
そして第5戦フランスGPから投入されたのが、TG184である。TG183Bではフロントに搭載されていたラジエターをマシン側面に配置。タイヤもピレリからミシュランへ換装している。また、サスペンションはフロントがプルロッド、リヤがプッシュロッドとなっている。
このマシンの設計を担当したのがロリー・バーン。後にベネトンB194、B195を生み出し、若きミハエル・シューマッハーと共にF1界を席巻することになる人物である。当時のF1はまだ空力優先の時代だったというわけではないが、バーン作の空力を重視したマシンは、非力なハート直4ターボエンジンにも関わらず、素性の良さを披露した。その最たる例が、伝説のモナコGPである。
第6戦モナコGPは、大雨の中レースが行われた。セナにとってはモナコ初挑戦。彼は13番グリッドからレースをスタートさせる。