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スーパーGTニュース

投稿日: 2012.04.12 00:00
更新日: 2018.02.16 08:24

イカ娘フェラーリ、SGT開幕戦は10位ポイント獲得


MEDIA RELEASE
2012年4月9日\t

「PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ」
開幕戦は10位ポイントゲット!

 2012 SUPER GTシリーズの開幕戦が3月31〜4月1日に岡山県の岡山国際サーキットにおいて開催され、「PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ」(山岸 大/井口 卓人)は、このレースがマシンの実質シェイクダウンだったにもかかわらずGT300クラスを10位でフィニッシュ。貴重な1ポイントをゲットした。

 昨年は東関東大震災の影響を受けて延期になっていた開幕戦の岡山ラウンド。2012年は幸いにも予定通りに開催された。今期のSUPER GTはレギュレーションが大きく変わり、エンジンパワーが上がり、GT300クラスにおいては車両規定をFIA GT3を中心としたラインナップに。パドックは新車のメルセデスSLS AMG、ランボルギーニLP600、アウディR8 LMS、フェラーリ458 GT3などスーパーカーレースとも言える華やかな顔ぶれ。そこに国産勢のNISSAN GT-R、SUBARU BRZ、トヨタ プリウスなど新しいマシンがデビュー。昨年同様のマシンであるFIA GT2のアストンマーチン、紫電、ガライヤ、そして「イカ娘フェラーリ」が決勝を争う。昨年のチャンピオンマシンである BMW Z4 GT3と強豪ポルシェ911GT3にアウディが加わり激しく争われた予選は今回ノックダウン方式。チームに加入したばかりの井口が第一予選アタックに挑んだ。まずは順調にタイヤを温めてタイムアタックを開始。アタック途中から雨が降ってくる荒れた展開の中でタイムアップならずQ1ノックアウトで暫定20番手。予選終了後に車両規定違反などにより決勝は19番手からのスタートとなった。

 決勝日は肌寒いが天候は徐々に回復し路面はドライコンディションに。朝の公式練習ではドライ路面で初走行となった山岸がマシンとタイヤの構造違いを確認。その後サーキットサファリまで井口が走行してマシンの手応えをつかんだ。

 13時からスタートのセレモニーが始まり、昨年よりも数多くの観客がコースやグランドスタンドに来場され、SUPER GTシリーズが盛り上がっていることを実感した。予定通り定刻の14時にローリングスタート開始、GT500クラスに続いてGT300クラスもクリーンなスタートを切った。山岸は前を行くランボルギーニやヴィーマックをオーバーテイク、上位陣の接触やトラブルによる脱落にも助けられクラス12位までポジションアップ、順調に周回を重ねる。予定より少し早めの29Lap目にピットイン、燃料補給とタイヤ交換、ドライバーを井口にチェンジ。ノーミスで作業を終えてピットアウト。その後井口は正確なラップタイムを刻みミスのない走りで少しずつ順位を上げて行く。レース終盤にポイント圏内の10位まで浮上!さらに前を行くアウディR8をロックオン。コーナーで真後ろに追いつくがストレートで離される展開に。すると後ろからは10位争いのアストン・マーチンが追い上げ3台はテールツーノーズ状態で最終ラップへと突入。最後までクレバーな走りで10位を守り切った井口がチェッカーを受け今期初ポイントを獲得した。レースウィークにシェイクダウンという難しい状況の中、エンジニア、メカニック、ドライバー、チームクルーが一丸となりノーミスで戦えたことがポイント獲得に繋がった。

 次回はゴールデンウィークに富士スピードウェイで開催される。それまでにいろいろと見えた課題をイカに克服することができるのか。戦いを終えてファクトリーに戻ったチームクルーたちはすでに富士戦に向けた作戦会議が行われている。

■ドライバーコメント
山岸 大
「今回の岡山ラウンドが実質シェイクダウンとなっ たため、走り始めがウェット路面だったことで予選のタイヤ確認ができませんでした。そんな中でいきなりアタックをすることになった井口選手がタイムを出せなかったことは無理もないと思います。実力を発揮できないまま予選を終えたため後方からのスタートになってしまいましたが、決勝はミス無く順位を上げて行きました。しかし、速さが足りなかった。次の富士戦に向けてマシンを向上させて行きます。GT3勢が速いので、その中で自分たちがミスなく最高のレースをすることで次のレースも結果を出して行きます。」

井口卓人
「予選では、初めてと言う事もあり良いパフォーマンスを出す事が出来ませんでした。なので、決勝は何としてでもポイントを獲得したいと言う思いが強かったです。決勝中は、無線のトラブルでチームと交信が出来ずに不安な部分がありましたがチームもドライバーもミスをする事無くゴールまで車を運べたので良かったと思います。次のレースでは、もっとチームとコミュニケーションを取り、車とドライバーのパフォーマンスを上げて良い結果を残せる様に頑張りたいと思います。次戦も応援宜しくお願い致します。」

■チームコメント
チーム監督神野元樹
「予選日までにテスト走行も出来ずに迎えた開幕戦でしたが、山岸選手、井口選手ともに、よく頑張ってくれたと思います。井口選手はヨコハマタイヤを履いた経験が無い中、よく健闘してくれました。予選は19位でしたが、両選手勝負強さを見せてくれて、ポイント獲得圏内の10位で決勝の幕を閉じました。マシンのトラブルもなく、ひとまず安心しましたね。」

トラックエンジニア 小藤純一
「GT3車両との差が想定をはるかに超えていて驚愕しました。GT3車両が2012モデルとなり全体のレベルが上がってしまった為だと思います。昨年からGTAと協議をしてGT3車両と戦える性能調整にしてもらった筈でしたが、ノーミスのレースをして3周遅れでのゴールはチームの努力だけでは埋めることができない差です。マシンの準備が遅れてテストに参加出来なかった事も調整が上手くいかなかった原因だと思います。次戦以降、適正な性能調整が行われることを期待します。今回のレースはノーミスと言えど、小さなミスは各ポジションで有ったので、今後更にレースオペレーションの精度を上げていく努力を進めていきたいと思います。」

データエンジニア 牧野成伸
「今回、エンジンや、パーツの到着遅れにより、テスト不足が、一番の懸念事項でしたが、大きなトラブルも無く、1ポイント取れた事は、不幸中の幸いに思います。レースについては、GT3勢が速すぎですね。GTAの調整不足かも知れません。車は、まだまだ70%ぐらいですかね。次回には100%になる様に頑張ります。応援よろしくお願いします。」


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