更新日: 2018.02.17 08:08
ホンダ密着:休息日に「PUマネージメントを見直す」
「フリー走行2回目は、ほとんど何もできず、セッションになっていなかった」
モナコGP初日を終えたあと、ホンダの新井総責任者は、まだ濡れた地面の上に立ち、そう言って苦笑した。午前中のフリー走行1回目は、ジェンソン・バトンがセッション前にエナジーストアを交換。
「いろいろな部品の確認をし、システムチェックを行っているうちに、時間ばかりが過ぎていってしまった。もう少し、早く走行できるはずだったが……」
バトンが走った15周という周回数は、20人中で最も少ない。スペインGPの決勝ではタイヤの使い方に問題を抱えていただけに、ホンダとしては、もう少し走らせてあげたかったのだろう。さらに午後になって、モナコ上空を雨雲が覆った。
フリー走行2回目が開始して間もなく降り出した雨が上がることはなく、90分のセッション中、75分間はウエットコンディションとなった。他のサーキットなら、よほどの雨でもない限り、確認するためにウエットタイヤを履いてコースインするが、市街地コースのモナコではわずかなミスでもガードレールの餌食となるため、チームはできる限りリスクを少なくしたい。フリー走行2回目のバトンには何のトラブルもなかったが、走行はフリー走行1回目より少ない14周にとどまった。
今季F1に復帰したホンダは、序盤戦でさまざまなトラブルに見舞われた。その対策もひと段落し、スペインGP後には初のインシーズン・テストも行った。「スペインのテストは2日間ともしっかり走り込みができ、データもきちんと取れたので大変有意義だった。スペインGPのレースでジェンソンのマシンに起きた問題についても、復習することができた」と語る新井総責任者にとって、モナコGP初日はその成果を試す場だった。しかし、雨がホンダの思惑をさえぎった。