レジェンド葛西、バトンに「ソチはピロシキに気をつけて」

　日本GPを直前に控えた10月1日、モービルとマクラーレンによるイベントが都内で開催され、ジェンソン・バトンが参加。スキージャンプのソチのメダリスト、葛西紀明とトークセッションを行った。

　元フジテレビアナウンサーの内田恭子さんの司会のもと、葛西選手がバトンに質問する形でイベントは進行した。レース好きという葛西選手は、もともとバトン選手について」「かっこよくて一番好きなドライバー。まさか今日、会えるとは。ファンの気持ちです」と、緊張した面持ち。それでも同じアスリートとして、プレッシャーとどう付き合うか、などをバトンに尋ねた。

　トライアスロンに参加するなどアスリートとしても知られるバトンも葛西選手のメダルに興味を示し、「おめでとう！」と日本語で伝え、「ひとつ獲得するのも大変なのに、（個人と団体の）ふたつも獲得するなんてアメージング！」とバトンも葛西選手に敬意を示した。バトンも昨日まで富士周辺でサイクリングなどでトレーニングに励んでいたといい、「とてもいい景観だった。こうしてF1を離れていい空気を吸うのも大事なこと。食事にもとても気を付けていて、レースの時にコンディションを最高の状態にもっていくようにしています」と葛西選手に近況を語った。

　葛西選手のプレッシャーについての質問にも「家族や友人など、良い時も悪い時も親しい人が近くにいてくれるというのが重要。もう15年F1に関わっていて、F1は人生の大きな部分を占めている。プレッシャーにひとりで向かうのはとても厳しいけど、ファミリーがいてくれると力になる。勝たなければならなというプレッシャーはあるけど、やっぱりF1を楽しみたい」とバトンらしいコメントで答えるなど、お互い、ベテランならではトーク。

　日本GPの後はロシアGPで、その開催地はソチ。すでにオリンピックでソチに滞在経験のある葛西選手はバトンに「ジャンプの競技は山の中で行われていたので、なかなか町に出る機会はなかったですけど、食事はとてもおいしかったです。でも、一度ピロシキを食べて食あたりを起こしてしまったので、ピロシキには気を付けて頂きたいです」とアドバイスを送れば、バトンも笑いながら「もちろん、すごく気を付けるよ！　ソチは初めて走るサーキットで楽しみも多いけど課題も多そうだね」と答えて会場を沸かせた。

　ふたは業界ではそれぞれ最年長クラスの選手ということで、日々の生活で心がけていること、マイルールやトレーニング、チームとの関わり方など、お互い興味は多かった様子。バトンが自宅のあるモナコで乗っているマクラーレン650Sの話に及ぶと、大のクルマ好きという葛西選手も「次のオリンピックで金メダルを獲ったら買えるかな（笑）」と650Sに興味津々の様子だった。

　最後にバトンは週末の日本GPについて、「ご存じのように2003年からはホンダと参戦していたし、フィアンセの母国でもあるので、日本GPは僕にとっても第2の母国グランプリ。鈴鹿はとてもチャレンジングなコースで今年は表彰台を獲得するというのもなかなか難しい状況だけど、いいレースにしたい。頑張ります」と抱負を述べて、イベントは幕を閉じた。