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F1ニュース

投稿日: 2015.07.29 00:00
更新日: 2018.02.17 09:28

浜島査定:ロズベルグを苦しめるハミルトンの呪縛


 昨年までスクーデリア・フェラーリで、ビークル&タイヤインタラクション・デベロップメントとして活躍した浜島裕英。その浜島さんのコラムがF1速報サイトで連載中です。題して、「浜島裕英のグランプリ人事査定」。今回、F1速報サイトでしか読めない第11回コラムの一部をお届けします。


第十一回査定
ロズベルグを苦しめる“ハミルトンの呪縛”

 ハンガリーGP。夏休み前のこの一戦を迎えたドライバーたちの心中は、複雑であったろう。皆様もご存じのように、このグランプリの前の週の7月17日、昨年の日本GPで重傷を負ったジュール・ビアンキ選手(元マルシャ)が帰らぬ人となったからだ。安全対策の重要性が再認識された出来事であった。マラネロのファクトリーで会うたびに、「ハミー、ステファノ(ドメニカリ:元スクーデリア・フェラーリ チーム・プリンシパル)に、僕の速さをアピールしといてね!」と人懐っこい笑顔で話しかけられたのが、彼との大切な思い出です。ご冥福を祈ります。

 そんな中、2017年からのタイヤサプライヤーとして、ピレリとミシュランが候補に名乗り出て、両社ともにホイールの大径化を希望している、という話が伝わってきます。その大きな理由は、現行のF1タイヤのホイールが13インチであり、一般乗用車ではほとんどと言っていいほど、使われていないサイズだからでしょう。しかし、もちろんタイヤの大きさの新レギュレーション次第ですが、今後も現行ルールと同じと仮定すると、大径化によってホイールの重量は明らかに上昇します。また、タイヤの重量もビード・ワイヤーの重量が増すはずなので、サイドウォール部分の重さが減ったとしても、微増することになると考えられます。

 タイヤのエアボリューム(空気容量)も減少するので、耐久面を考えればタイヤの空気圧も上げる必要が出てくるはず。こうなると、万が一タイヤがクルマから外れて何かに当たった場合には、その衝撃が増大することになりますので、クルマに繋ぎ止めておくテザーの強度アップが必要となり、タイヤ交換に関わるメカニックたちへの肉体的な負担も増えることになります。この辺りも考慮すべきでしょう。いずれにしても、安全上の対策をきちんと立ててから、タイヤサイズの決定をして欲しいものです。

大番狂わせとなった決勝
ロズベルグのタイヤ選択
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