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投稿日: 2014.10.21 00:00
更新日: 2018.02.23 15:57

道見ショーン真也「優勝して肩の荷が下りた気分」


AUTO GP最終戦ポルトガルで、道見ショーン真也が怒涛の追走劇、
ファステストラップを連発し、見事な逆転、初優勝を飾る!

ポルトガル、エストリル・サーキットで10月18〜19日に開催された2014年AUTO GP第15戦、16戦に道見ショーン真也がEURO NOVA RACINGからスポット参戦し、第15戦で6位入賞。そして3番手グリッドからスタートした第16戦では、スタートに失敗したものの、ファステストラップを連発し、見事な逆転、初優勝を飾りました。

体力的にかなり厳しいことで有名なエストリル・サーキットでのレースに備えて、道見ショーン真也はEURO NOVA RACINGの本拠地であるイタリア、フォルリに居を構え、F1世界チャンピオンのフェルナンド・アロンソを担当するトレーナーの指導のもとに2ヶ月間の体力トレーニングを集中して行なってきました。

今回のイベントはヨーロピアン・ルマン・シリーズと同時開催ということで、事前の走行時間が限られており、45分間のフリー走行が1回のみで、いきなり予選という厳しいスケジュールです。16日にポルトガル入りした道見ショーン真也は、17日の午後、エンジニア、チーム監督と共にサーキットを歩いてチェック。各コーナーごとのポイントを確認し、セットアップのベースラインを検討しました。

土曜日のフリー走行直前に、予期せぬメカニカル・トラブルが発生しました。シフトダウンン時のブリッパーが正常に作動しなかったのです。エンジン・メーカーのエンジニア達がマシンを取り囲み、深刻な表情で修復作業にあたりました。予選前に走れる時間はこの45分間が全てです。ヨーロッパのライバルたちはこのサーキットを経験しているドライバーが多く、まったく初めての道見ショーン真也にとっては、とても大切な走行時間です。その不安の中でも本人は愚痴ひとつ言わず、「フリー走行なしでポールポジション獲得したら、ヨーロッパでもビッグニュースになるよね」とジョークでスタッフを和ませるほどリラックスしていました。チームを全面的に信じていたからです。幸い走行時間を5分ほどロスしただけで応急処置をすませ、コースイン。あいにくのウェット・コンディションでしたが、着実に周回を重ねてコースを覚え込み、セットアップを煮詰めました。

午後の予選までに雨は上がり、ポルトガルらしい陽射しの強さでコースは瞬く間に乾き、いきなりドライ路面での予選となりました。これも厳しい条件でしたが、2回の予選で道見ショーン真也は2種類の異なるコンパウンドのタイヤをマスターし、5番手タイムをマークしてみせました。

日曜日の午前中に開催された第15戦は、道見ショーン真也にとって苦いレースとなりました。スタートは上手くいったのですが、メディカルカーが故障するという前代未聞のアクシデントで赤旗中断。レースはセーフティカー先導での再スタートとなりました。道見ショーン真也は早めのタイヤ交換に出る作戦を取ったのですが、ピットの進入速度違反によりドライブスルーのペナルティを課されてしまい、大きくポジションをダウン。激しく追い上げましたが、6番手まで追い上げたところでチェッカー。リバースグリッドでポールポジションとなる8番手フィニッシュを狙うような姑息なレースはせず、チームの為のポイント獲得を狙って全力で走った結果の順位でした。

そして迎えた最終戦、3番手グリッドからのスタートでしたが、スタートに失敗。一気に8番手までドロップしてしまう、厳しい戦いが始まりました。しかし気を取り直した道見ショーン真也は素晴らしいペースで追い上げを開始。2周目には7位、そして1台、また1台と前を行くマシンを仕留め、5周目にピットインして新品タイヤへと交換を済ませると、トップグループより1周1秒から1秒5速い脅威のペースで追い上げを開始しました。9周目にはファステストラップをマークして4番手まで浮上し、さらに10周目には自己のファステストラップを更に更新する激しい走りを見せ、続く11周目に3位に浮上。表彰台の一角を確保した喜びの笑顔をみせるピットクルーを尻目に、さらに勢いをつけ、13周で2位、そし16周目のコントロールラインにトップで戻ってきたのです。

残り4周、後方からはGP3で活躍するルイス・サ・シルバ選手、そして元F1ドライバーのアントニオ・ピッツォニア選手が意地を見せて追いすがりますが、最後まできっちりと抑えきり、見事、AUTO GP初優勝を飾りました。今シーズンのAUTO GPチャンピオン、佐藤公哉選手に続く、日本人として二人目のウィナーが誕生したのです。


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