レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGTニュース

投稿日: 2015.09.04 00:00
更新日: 2018.02.17 10:05

21号車アウディ、SGT鈴鹿はミスなく走り5位入賞


Press release-2015.0903-004

03/09/2015

Super GT 2015 Series
Round-5/Suzuka Circuit

6時間レースをミスなく完走し5位入賞

 Audi Team Hitotsuyamaは8月29~30日に三重県・鈴鹿サーキットで開催されたSUPER GT 第5戦「44th International SUZUKA 1000km」に参戦致しました。開幕戦岡山での3位表彰台獲得以降、苦戦が続いていたAudi Team Hitot-suyama / #21 Audi R8 LMS ultra。後半戦に向けて良い流れを取り戻すべくチーム一丸で臨んだ6時間耐久レースで、Audi Team Hitotsuyamaは全くのノーミスで6時間を完走。性能調整により厳しいマシンパフォーマンスながら納得のいく5位入賞を果たすことができました。

8月29日 公式練習

 公式練習序盤はリチャードがマシンとタイヤのマッチングを確認するためにコースイン。7月下旬のテストで既にベースセットは決まっていたこともあり、計測5周目に2分01秒000のタイムでクラス3位に。リチャードはマシンバランスが良いことを無線で伝えた。

 その後、藤井にドライバー交代。藤井は中古タイヤでマシンのコンディションを確認しながらも、リチャードと同等のタイムを記録し、マシンの仕上がりが良いことを示した。セッション終盤にはリチャードが予選シミュレーションを行い2分00秒085までタイムアップ。GT300クラス4位でこのセッションを終え、午後の公式予選に向けて良い流れを作り出すことができた。

8月29日 公式予選

 公式予選Q1はリチャードが担当。鈴鹿はコース距離が長いため、タイヤのベストパフォーマンスを維持できるのはたった1周のみ。ドライバーのテクニックが試されることとなる。リチャードは丁寧にタイヤを温め3周目にアタック。ノーミスで午前中の公式練習のタイムを上回る1分59秒514を記録。この時点でクラス6位に。最終的にクラス7位で公式予選Q1を突破し、Q2を藤井に託した。

 公式予選Q1よりさらに短い時間で行われるQ2では、タイヤの温め方、コースインのタイミング、すべてが上手く機能する必要がある。エンジニアのピエールは藤井の前後にライバルがいないことを無線で伝え、3周目にアタックに入るよう伝える。アタック中、ヘアピン手前でシフトダウンできない症状が起こってしまうものの、藤井は上手く対処しロスを最小限に抑えて2分00秒013を記録。

 多少のタイムロスがありながらもクラス10位で公式予選Q2を終え、6時間の決勝レースに向けてチームのモチベーションは非常に高まった。

P1:#2 シンティアム・アップル・ロータス 高橋一穂/加藤寛規/濱口弘
P2:# GAINER TANAX GT-R アンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎
P3:#7 Studie BMW Z4 ヨルグ・ミュラー/荒聖治
P10:#21 Audi R8 LMS ultra リチャード・ライアン 藤井誠暢

8月30日 決勝レース

 決勝レース当日は朝からウェットコンディション。雨を得意とする#21 Audi R8 LMS ultraにとっては上位進出に向けて、まさに恵みの雨となった。グリッドウォークの時点で雨はほぼ上がっており、各チーム、ドライタイヤをグリッド上に準備させていたが、スタート時間が近づくにつれて再び雨が降り始め、ウェットコンディションでのレーススタートが確実となった。

 12時30分にウェットコンディションの中、決勝レースはスタート。#21 Audi R8 LMS ultraのスタート担当はリチャード。スタート後4周目まではクラス10位をキープしていたリチャードだが、ライバル勢のペース、そしてコースコンディションを把握してからは一気にペースを上げる。5周目にペースの上がらない#18 TOYOTA 86と #25 TOYOTA 86をオーバーテイク。6周目には#0 Mercedes SLSと#10 Nissan GT-Rもオーバーテイクしクラス6位まで浮上。

 その後リチャードは上位勢との差を保ちつつ安定したラップを刻むも、22周目のバックストレートでタイヤバーストが発生。幸いにもリチャードはマシンをコントロールすることができ、また、コース後半でのバーストだったことからも十数秒のロスでピットに戻ることができた。

 予定より10周ほど早めの緊急ピットインとなったが、ピットでは混乱なくリチャードを迎え入れる。ドライバー交代、タイヤ交換、燃料補給とフルサービスを行い、藤井をコースに送り出す。コースに復帰した時点でクラス27位までポジションダウンしたものの、藤井は前を行くライバル勢より1周1~2秒速いペースで淡々と走行。

 予定通り32周を走行し、55周目にピットイン。クラス9位までポジションを挽回してみせた。また藤井は、数周のうちに路面が乾きドライタイヤの方がタイムを出せるコンディションになるであろうことをピットに伝えた。

 エンジニアのピエールは藤井のアドバイスも参考にリチャードにドライタイヤを与える。再びフルサービスのピット作業後、リチャードをコースに送り出した。だが、リチャードがコースに復帰した直後にSCカーが導入されてしまう。

 各チーム、SCカー導入により戦略が多岐に分かれ、混沌とした状況に。数周のSCカー導入後、再スタートが切られる。この時点でリチャードはクラス11位。その数周後、今度はコース上のオイル処理のために再びSCカーが導入される。

 このSCカー導入により、クラストップとの差が一気に縮まり、クラス13位までが同一周回数で再スタートを切ることとなった。ドライタイヤを選んだチームの判断は正しく、再スタート後、リチャードはハイペースで前方のライバル勢を追う。

 スタートから91周目、第3スティントの35周を安定したラップで走り切り、クラス6位までポジションを上げてピットイン。再びフルサービスのピット作業を行い、チームは藤井をコースに戻す。上位フィニッシュも見えてきた藤井はベストラップを更新する走りを見せ、前方のライバルを追う。マシンが快調であること、そして最終スティントに向けた戦略を、エンジニアのピエールとコミュニケーションを取りながら走行を続ける。

 藤井は30周を一切のミスなく順調に走り切り、121周目にクラス6位でピットイン。最終スティントをリチャードに託した。この日3スティント目となるリチャード。ドライコンディションでは前方を行くライバルからはタイムでは劣るものの、自身のペースを守り淡々と走行を続ける。前後のライバルとの差は変わることはなく、クラス6位でのフィニッシュが確実となってきた残り10分。クラス5位を走る#11 Mercedes SLSが突如タイヤ交換のために緊急ピットイン。

 リチャードはタイヤ交換中の#11 Mercedes SLSを抜き去り、クラス5位に浮上。残りの周回は燃費を抑えるためにタイムをコントロール。

 18時25分、#21 Audi R8 LMS ultra リチャード・ライアン/藤井誠暢は150周目にチェッカーフラッグを受け、混乱のレースを最後まで安定したペースで走り切り、クラス5位入賞を果たした。

P1:#10 GAINER TANAX GT-R  アンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎
P2:#7 Studie BMW Z4 ヨルグ・ミュラー/荒聖治
P3:#61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝
P5:#21 Audi R8 LMS ultra リチャード・ライアン/藤井誠暢

チーム代表/一ツ山亮次
「今日のレースは間違いなく現状のマシンとBoP(性能調整)で見せることができるベストリザルトだったと思います。レース序盤にタイヤバーストが発生しましたが、それ以外は全くのノートラブル・ノーミスでした。路面が乾き始めてからはライバル勢とのタイム差が目立ち始めてきましたが、上位勢が次々とペナルティやトラブルで後退していく中、着々と順位を上げていく様子は見ていて気持ちが良かったです。Audiらしい安定感と粘り強さを発揮することができました。一方でAudiはJAF-GT、マザーシャーシ、BMWといったライバルと比較し1回のピットストップで給油のために15秒長くストップしなければいけません。今日は4回給油したのでピットストップで60秒はロスをした計算になります。現状コース上で60秒を稼げるほど有利なBoPではないので、今後は給油時間も含めてBoPの調整を行ってもらえれば、もっと上位争いを面白くできると思っています。残り3戦はAudiが得意なサーキットが続きます。今回のレースで良い流れを作ることができましたので、現行型R8で有終の美を飾れるよう、さらに気を引き締めていきます。引き続き応援宜しくお願い致します。」

 第6戦は9月19~20日に宮城県・スポーツランドSUGOにて開催されます。引き続き、皆様からの沢山のご支援・ご声援をお待ちしております。
Official Facebook page of Audi Team Hitotsuyama.
http://www.facebook.com/hitotsuyamaracing