レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーフォーミュラニュース

投稿日: 2015.05.25 00:00
更新日: 2018.02.17 08:17

P.MU/cerumo・INGING、SF第2戦でシリーズ初優勝


2015 SUPER FORMULA

P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第2戦 岡山国際サーキット

◆5月23日(日)
<決勝>天候:曇り|コース状況:ドライ

#38 石浦宏明 優勝/#39 国本雄資 リタイア

 スーパーフォーミュラ第2戦で、ポールポジションからレースをスタートした石浦宏明がP.MU/CERUMO・INGINGにシリーズ戦での初優勝をもたらした。石浦にとっても、国内トップフォーミュラでの初優勝となった。

 前日に、完璧ともいえる流れでスーパーフォーミュラでの自身初ポールポジションを獲得して見せた石浦だったが、決勝日は朝のフリー走行でマシンに制御系のトラブルが発生したためセッションの大半を走ることができず、レースに向けて不安のちらつく走り出しとなった。30分間設けられているこのセッションでは、通常、決勝レースに向けたセッティングやロングランでのマシンの感触の変化などを確認するが、石浦は計測5周目にストップ。幸いにもマシンへのダメージはなく、セッション終了後にピットに戻った石浦のマシンは、直後に始まったサーキットサファリにはコースに戻ることができたが、コース上に観客を乗せたバスが走るサファリのセッションでは十分な確認はできなかった。

 決勝レースが始まるまでに残されている走行時間は、あとはスタート進行時のウォームアップ走行8分間のみ。ここでも最後までマシンのバランスを確かめるために様々なトライを行ったチームは、スターティンググリッド上でもマシンの最終調整を行った。最後の最後まで、勝利のためにマシンセッティングを突き詰めていくチームに、石浦も頭の中の不安をはねのけスタートに集中する。

 フォーメーションラップをすませ、午後3時4分にレースがスタート。68周にわたる長い戦いが始まった。スタートに定評のある石浦は、ポールポジションから好スタートを決めて1コーナーをトップで侵入。オープニングラップを終えた時点ですでに2番手のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラに1.4秒の差をつけていた。1分17秒~18秒前半のラップタイムで走行する石浦は、20周目までにオリベイラとの差を3秒にまで広げると、その後も快調に周回を重ねていく。オリベイラがペースを上げてきたことでレース折り返しの34周辺りには1.5秒差まで迫られるが、石浦の安定した走りに変わりはなく、再び2秒以上の差を広げると38周を終えたタイミングでピットへと戻ってきた。ここで給油と4本のタイヤ交換をすませコースに復帰すると、後方に迫ってきたのは石浦より前のピットインでオリベイラをかわした小林可夢偉。レースの後半は、石浦と小林の手に汗握る攻防戦が続くことになった。

 全車がルーティンのピット作業を終えると、石浦は再びトップに立ち、背後に小林がぴたりとつける形でレースが進んでいく。ラップタイムはわずかに石浦の方が勝っているが、時折小林がぐっと差を縮めてくる、といった状態が続く中、勝負どころと読んだ小林が47 周目にオーバーテイクシステムを使って石浦に接近。ヘアピンコーナーでオーバーテイクを仕掛けるが、このコースを熟知する石浦は巧みなブロックでかわすと、翌周には逆にオーバーテイクシステムを小林の追撃を回避する。ここから先、チェッカーまでの20周はまさにドライバー勝負。小林が差を詰めれば次のコーナーで石浦が差を戻す、一進一退の攻防が続いた。ファイナルラップに入る時点で、両者の差は1.2秒。ここで小林が最後のオーバーテイクシステムを使いラストチャンスを狙ったが、こちらも最後に1つ残していたシステムを使い猛攻をブロック。最終コーナーをトップで立ち上がると、悲願のトップチェッカーを受けることとなった。

 石浦はこの初優勝でシリーズランキングトップに浮上。次戦では、ランキングリーダーを示す「Leader’s Red」(オーバーテイクシステムの残り回数を示すランプが赤色になる)を灯して戦うことになる。

 決勝レースを予選16番手から戦うことになった国本は、スタート直後にブレーキをロックさせてコントロールを失ったマシンに接触されコースオフ。結果の振るわなかった予選日からセッティングを大きく変更し臨んだ決勝レースだったが、悔しいリタイアとなった。2台で明暗の分かれる週末となったが、チームとしての初優勝を経験したことで、確実にモチベーションは高まっている。次戦富士ラウンドでは2台揃っての上位フィニッシュを目指す。