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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2024.04.19 13:02
更新日: 2024.04.19 13:17

新型『プジョー9X8』の進歩を確信するミューラー。一方、初陣への期待は「現実的であるべき」と控えめ

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ル・マン/WEC | 新型『プジョー9X8』の進歩を確信するミューラー。一方、初陣への期待は「現実的であるべき」と控えめ

 プジョーのドライバーであるニコ・ミューラーは、今週末4月19~21日にイタリアのイモラ・サーキットで開催される『イモラ6時間レース』でWEC世界耐久選手権デビューを飾る改良型プジョー9X8への期待を抑えていると語った。

 先月公開された2024年仕様の新しいプジョー9X8は、開幕戦『カタール1812km』で最後のレースを戦ったオリジナルバージョンから大幅なアップデートを受けた。改良型はこれまで備わっていなかったリヤウイングが追加され、他社のハイパーカー勢と同様に幅34cmのワイドなリヤタイヤに変更されたことが大きな特徴だ。

 プジョーはカタールで“ウイングレス”仕様の9X8モデルを走らせ、終盤の燃料補給トラブルの影響で2位フィニッシュを失ったものの2022年のデビュー以来、過去最高のパフォーマンスを発揮した。しかしミューラーは、フランスのチームが新しいクルマについてより多くのことを学ぶなかで、前回大会のようなポジションでレースをすることを期待していない。

 ミケル・イェンセン、ジャン-エリック・ベルニュとともに93号車9X8をシェアする彼は、プジョーがイモラの週末を学習の場として扱うかどうかを尋ねられたとき、「ある程度は、確かにそうだ」と答えた。

「レースに出るときはいつも良い結果を出したいと思うものだが、(今回は)現実的でなければならない」

「新車での初レースだし、テストもしていないコースだ。かなり特殊な特性を持っている。僕たちが良い仕事をするためには少し時間が必要だろう。パフォーマンスの観点から言えばチャレンジングな週末になるだろうね」

「クリーンな週末を過ごし、問題なくレースを終え、いくつかのポイントを獲得することを目標にしている。それはポジティブなものとして考えるべきことだと思うよ」

 ミューラーは、最新のバランス・オブ・パフォーマンス(BoP=性能調整)の下で新しい9X8に与えられたいわゆる“ホモロゲーション・パラメーター”での重量がハイパーカークラスでもっとも重い1061kgで、最高出力は510kW(約693PS)となったことが「小さな驚き」だったと付け加えた。

「結局、一番重いクルマになってしまい、以前よりもかなりパワーが落ちてしまった」とミューラー。「それはそれとして、我々は(BoPの設定)プロセスを信頼しているし、コース上で他のマシンと比べてどうなのかを見る必要がある」

 今週末のイモラ・ラウンドへの期待は控えめだが、ミューラーは開発テストで得た新車のポテンシャルを確信している。「クルマはもっとつながっている感じがする」と彼は述べた。

「僕たちは限られた時間しか持っていないし、まだ学んでいる最中だからその一歩がどれほどのものなのか、ライバルメーカーにプレッシャーをかけられるほどのものなのかを判断するのは少々難しい。だが、フィーリングが良くなったのは確かだ」

「セットアップの変更に対する反応が(以前のクルマより)少し論理的になり、ワーキング・ウインドウに入れるのが少し容易になった」

「以前のマシンがウインドウの中に入っていたときは、ル・マンやカタールで何度か見たような(トップを走行する)パフォーマンスを発揮していたが、そのウインドウは非常に狭かった。このクルマでは、パフォーマンスを引き出すためのウインドウが広くなっている。それが最大の違いだ」

■次のページへ:後ろ寄りになった重量配分と縮小したフロントタイヤの影響


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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