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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.05.05 11:47
更新日: 2023.05.05 12:27

TOYOTA GAZOO Racing 2023スーパーGT第2戦富士 レースレポート

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スーパーGT | TOYOTA GAZOO Racing 2023スーパーGT第2戦富士 レースレポート

SUPER GT 2023年 第2戦 富士
FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE

坪井/宮田組GRスープラが独走で今季初勝利
GT300クラスでは堤/平良/加藤組GR86が2位、
吉田/川合組GRスープラが3位表彰台獲得

 スーパーGTの第2戦が富士スピードウェイで行われ、6番手グリッドからスタートしたau TOM’S GR Supra 36号車の坪井翔が見事な追い上げで首位に立つと、後半を担当した宮田莉朋も後続を大きく引き離す独走で今季初勝利を飾りました。GT300クラスでは、スタート直後に給油義務2回のうちの1回を消化する変則的な作戦を採った堤優威/平良響/加藤寛規組 muta Racing GR86 GT 2号車が最後まで首位を争い2位。吉田広樹/川合孝汰組 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が3位で続き、共に表彰台フィニッシュを果たしました。

 スーパーGT第2戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE』が5月3日(水)、4日(木)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。

 今大会は、シリーズで通常戦われている距離の300kmに対し1.5倍の450kmで行われます。給油のためのピットインが2回義務づけられると共に、3人目のドライバーをエントリーすることができます。

 開幕戦の岡山大会は、予選、決勝を通して雨に見舞われる中での大荒れの展開で、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)勢では大嶋和也/山下健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が4位、立川祐路/石浦宏明組 ZENT CERUMO GR Supra 38号車が5位と表彰台を逃す結果となり、今大会でのTGR勢の巻き返しに期待がかかりました。

 恒例のゴールデンウィーク期間中の開催となる今大会は好天に恵まれ、予選、決勝日の2日間を通じて8万人ものモータースポーツファンの皆様が入場。イベント広場のトークショーや、ピットウォークなどにも数多くのファンが訪れ、SUPER GTとしては3年ぶりにトヨタくま吉も登場し、大盛況のイベントとなりました。

 イベント広場のTGRブースには、先日発表されたばかりのGR Supra GT4 EVOと、GR Supra GT4生産100台到達記念特別車両“Plasma Orange 100 Edition”が初めて展示され、注目を集めていました。

予選

 3日(水)は朝から好天に恵まれました。午前中の公式練習走行を経て、気温20度、路面温度32度の中、午後3時15分よりノックアウト方式での予選が行われました。

 GT500クラスはQ1から僅差のタイムでアタック合戦が繰り広げられました。午前中の公式練習走行でもTGR勢トップタイムをマークした山下の14号車が真っ先に1分26秒台に入れる好走を見せると、翌周には36号車の坪井も1分26秒台に突入。終盤タイムを上げてきたライバル勢にかわされるも、14号車は4番手、36号車が5番手に。国本雄資のアタックしたWedsSport ADVAN GR Supra 19号車も7番手に入り、この3台がQ2へ進出を決めました。

 笹原右京がアタックしたDeloitte TOM’S GR Supra 37号車は11番手、石浦の38号車はタイヤを暖めている最中にブレーキのミスでコースオフ。これでタイヤを傷めてしまい13番手。関口雄飛がアタックを担当したDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車は、アタックラップで他車に引っかかるなどタイムを伸ばせず15番手に終わりました。

 Q2では、昨年2回行われた富士大会でどちらもポールポジションを獲得した19号車の阪口晴南が好アタックを見せましたが、0.076秒及ばず2番手。富士での3戦連続ポールポジション獲得はならなかったものの、最前列グリッドを獲得しました。

 また、出走した全8台がほぼコンマ5秒以内に入るという僅差の争いの中、14号車の大嶋は、最後のアタックで2列目4番手グリッドを確保。宮田の36号車は6番手から決勝をスタートすることとなりました。

 GT300クラスは、Q1を2グループに分けて実施。それぞれ上位8台がQ2へと進出します。

 Q1のA組では、菅波冬悟のHOPPY Schatz GR Supra GT 25号車が4番手、吉田の52号車が6番手に入りQ2へ進出。三宅淳詞のHACHI-ICHI GR Supra GT 244号車はコンマ1秒及ばず9番手。清水英志郎のシェイドレーシング GR86 GT 20号車、小河諒のapr GR86 GT 30号車も僅差ながら10番手、11番手となりQ2進出を逃しました。

 B組では、今季からGT300クラスにフル参戦するTGR-DC育成ドライバーの平良が担当した2号車が見事トップタイムをマーク。高木真一のK-tunes RC F GT3 96号車が5番手、河野駿佑のSyntium LMcorsa GR Supra GT 60号車が6番手、今大会3人目のドライバーとして登録された根本悠生がアタックしたapr LC500h GT 31号車が7番手でQ2へと進出。古谷悠河のANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車は0.08秒及ばず9番手でQ1敗退となりました。

 Q2ではTGR-DC育成ドライバーの小高一斗がアタックした31号車が好タイムをマークも、0.062秒ポールには届かず。それでも最前列2番手グリッドを獲得しました。川合孝汰の52号車が4番手、堤の2号車が5番手、新田守男の96号車が10番手、吉本大樹の60号車が11番手、TGR-DC育成ドライバーの野中誠太がアタックした25号車は13番手となりました。

決勝

 決勝日の4日(木)は前売り券が完売となり、5万人近いファンの皆様がサーキットに集結。埋め尽くされたグランドスタンドの前で、熱戦が繰り広げられました。

 午後1時半、気温22度、路面温度38度とこの期間中では一番暑いコンディションの中、静岡県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て、100周450kmのレースがスタートしました。

 最前列2番手の国本の19号車はスタートではポジションをキープ。4番手スタートの大嶋の14号車と、6番手スタートの坪井の36号車はTGRコーナー(1コーナー)進入でややアウトにふくらみ、14号車は9位、36号車は7位へとポジションダウン。坪井はすぐに追い上げ、4周目には19号車を含む3台を一気にパスして4位へ浮上しました。

 36号車坪井の勢いは止まらず、20周目にはコカコーラコーナーで大外から豪快にリアライズコーポレーション ADVAN Z 24号車をかわして3位へとポジションアップ。31周目に前を行く2台のNSXがピットへ向かい首位に立つと、36号車も32周を終えたところでピットインして、給油とタイヤ交換を行いました。素早いピット作業にも助けられ、36号車はこの時点で1回目のピットを終えた組の中で首位に浮上しました。

 40周目を終えたところで、GT500クラス車両は全車1回目のピットを終え、坪井の36号車がトップ、国本の19号車が8位、山下へと交代した14号車が11位、関口から中山へと交代した39号車が13位、予選でタイヤを傷めたため、タイヤ交換してピットスタートすることを選択した38号車が14位。

 首位を行く36号車の坪井は、当初5秒ほどだった2位との差をじりじりと広げていき、その差を10秒以上として63周を終えてピットイン。宮田へとドライバー交代を行いました。ここでも36号車はピット作業を素早く行い、2回目のピットを終えた組での首位をキープ。2位とは15秒以上の差を保ってのコース復帰となりました。

2023スーパーGT第2戦富士 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)
2023スーパーGT第2戦富士 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)

 78周目に全ての車両が2度目のピットを終え、36号車の宮田は首位に復帰。この時点で2位とは17秒の差となっていました。後方では、山下の14号車が猛追を見せてポジションアップ。82周目には前を行く37号車アレジとの抜きつ抜かれつのバトルを展開し観客を沸かせました。このバトルを制し7位へと浮上した山下は、更に前で展開されていた4位争いのバトルに加わりました。

 残り5周で3位を走行していた24号車Zがアクシデントによりピットイン。これで6位となった14号車山下は、TGRコーナー進入でNiterra MOTUL Z 3号車をパスし5位浮上。その後、3位の車両がスローダウンしたことで4位に順位を上げました。

 首位を独走する36号車の宮田は、終盤もペースを緩めることなく後続との差を広げていき、最後は28秒もの大差をつけてトップチェッカー。TGRのGRスープラ勢にとって今季初勝利を飾ると共に、坪井、宮田のコンビでも初勝利。悔しい思いをした開幕戦岡山の雪辱を果たしました。坪井はチャンピオンを決めた一昨年の最終戦以来、宮田にとっては去年の第4戦富士大会以来となる、どちらも通算2勝目。宮田は2週間前のスーパーフォーミュラでも初勝利を飾っており、嬉しい連続勝利となりました。

 後半見事な追い上げを見せた14号車は4位フィニッシュ。37号車が6位、最後尾15番手スタートから粘り強く追い上げた39号車が8位でポイント獲得を果たしました。

2023スーパーGT第2戦富士 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
2023スーパーGT第2戦富士 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)

 GT300クラスでは、5番手スタートの2号車が、1周目を終えてすぐにピットインし、1回目の給油義務を終えるという変則的な作戦を採りました。52号車も3周目を終えたところでピットへ向かい、同じく早めのピット作戦を採りました。

2023スーパーGT第2戦富士 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)
2023スーパーGT第2戦富士 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)

 最前列2番手グリッドからスタートした31号車は、嵯峨がスタートを担当し、トップ5圏内でのバトルを繰り広げ、早めの10周目にピットイン。根本へとドライバー交代を行いました。

 GT300クラスは幅広いピット戦略を採るチームが多く、順位が目まぐるしく入れ替わる展開となりましたが、レースが折り返しに近くなり、全車が1回目のピットを終えた時点では、早めのピット作戦が効を奏した堤の2号車がトップ、川合の52号車が2位、17番手スタートのイゴール・オオムラ・フラガの50号車が6位、31号車は11位を走行。

 46周目を終えたところでトップの2号車はピットに向かい、堤から平良へとドライバー交代。翌々周には変わってトップとなった52号車もピットへ。川合から吉田へと交代しました。

2023スーパーGT第2戦富士 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
2023スーパーGT第2戦富士 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)

 73周目、96号車が2度目のピットへ向かい、全車が2回のピットを終えると、2号車は再び首位に復帰。しかし、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R 56号車の猛追を受け、79周目に惜しくも先行を許すことに。しかし、2位に落ちた2号車の平良も離されることなく追撃を続け、そのバトルはファイナルラップ、チェッカー目前まで続きましたが、0.579秒及ばず2位でチェッカー。3位には52号車が入り、表彰台を獲得しました。31号車は3人目を担当した小高が追い上げを見せ8位。96号車が9位、野中が後半を担当した25号車も10位でポイント獲得を果たしました。

2023スーパーGT第2戦富士 GT300クラス表彰式の様子
2023スーパーGT第2戦富士 GT300クラス表彰式の様子

au TOM’S GR Supra 36号車 ドライバー 坪井翔:

「スープラと富士は相性いいと思ってますし、僕自身も富士は結構得意としている部分もあったので、昨日の段階から決勝にかける意気込みはありました。速さがあることは分かっていましたし、今日は岡山の借りを返すつもりで来たので、その借りをしっかり返せて最高の結果ですし、ちゃんと結果でチームに恩返しできたことは非常に嬉しいです」

「6番手スタートで前を抜いていかなくてはならない状況で、しっかりファースト、セカンドスティントでトップまで上がることができたので、そこは非常に良かったですが、それ以上に、最後は莉朋がめちゃくちゃ速いペースでリードを更に広げてくれたので、これは絶対次に生きてくると思います。次からはちょっとサクセスウエイトで車両が重くなるので、勝つレースというのはなかなか難しくなるとは思いますが、本当に流れは良いと思うので、しっかりこれをキープして、チャンピオン争いに常に絡んでいられるように、良いレースを次もしたいと思います」

au TOM’S GR Supra 36号車 ドライバー 宮田莉朋:

「予選で6番手からのスタートで、坪井選手が担当した序盤は後で追突があったりして、ちょっと波乱の展開ではあったんですが、僕たち力をあわせて、チームも前回の開幕戦で悔しい思いをした分、しっかり改良を重ねて、優勝することができました。今日は僕じゃなくて坪井選手が頑張ってトップに立ってくれたことが大きいですが、勝てたことは嬉しいです。実は4年前、僕はこのau(36号車)に代打で乗ってトラブルで止まってしまい、前回もトラブルで止まっちゃったので完走率0%だったんですが、こうして大差で勝つことができて、ようやく36号車で結果を残せて本当に嬉しいです」


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