セーフティカー先導による、ウエット状態でのスタートとなった2016年F1モナコGP。まず、確勝を期してレッドブルが事前に打っていた手立ては、レース当日の天候によって打ち砕かれる。 

ドライを想定したスタート戦略は水のあわに

 予選トップ10に進出したドライバーは、Q2でベストタイムをマークしたタイヤでレースのスタートに臨まなければならない。そのために、レッドブルは最もタイムの出るウルトラソフトではなく、ひとつコンパウンドの硬いスーパーソフトでダニエル・リカルドをQ2の2回目アタックに臨ませた。

 リカルドはスーパーソフトでQ2の自身ベストタイムを刻み、予選最終セッションとなるQ3ではウルトラソフトでポールポジションを獲得した。グリッド2番手、3番手のメルセデス勢はウルトラソフトでのスタートだ。

 今回モナコが初登場だったウルトラソフトはデータ不足なところもあり、どうしてもレースでの長い連続周回の耐久性には不安を残す。「抜けないモナコ」という要素も考慮し、レッドブルはレースペースやロングスティントにおいて、より計算の立つスーパーソフトをリカルドのスタートタイヤに持ってきていた。

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