FIAは先週末に開催した世界モータースポーツ評議会(WMSC)で、来季の世界ラリー選手権(WRC)に参戦するプライベーターが新型WRカーをドライブすることを許可しないとの決定を下した。
2017年、WRCには大幅な車両規則の改訂が行われる。この結果、エンジン出力やダウンフォース量が増加するため、“史上最速のWRカー”が誕生すると言われている。
WRCのプロモーターやFIAは、ラリーの平均速度が上がることで安全上の懸念が生まれるとして、新型マシンをドライブする人物を事前に審査したいとの意向を示していた。
この決定により、来季のWRC最上位クラスに参戦するにはワークスチームからのエントリーが必須となるため、ロレンツォ・ベルテリやマーティン・プロコップといった、プライベーターは活動停止を余儀なくされる。
現在、両ドライバーにマシンを供給しているMスポーツは、長年ワークス活動の一環としてプライベーターをサポートしてきた実績がある。そのため、チームの方針によってはプライベーターも継続参戦できる可能性も残されているが、FIAはプライベーターがワークスチームに所属していても、事前に審査を行う方針を示している。

現時点で来シーズンにプライベーターを走らたい意向を示しているのはMスポーツのみ。そのほかのフォルクスワーゲンやヒュンダイ、シトロエン、トヨタといったワークスチームは、3台の新型WRカーを揃えることに注力している状況だ。