9月に2回目のシンガポールGPを迎える、マリーナベイ・ストリート・サーキットの3つのコーナーに新たに名称がつけられることになった。これは、シンガポールの新聞が実施の名称募集企画の応募から選ばれたもの。
名称募集企画、「It’s your Turn」(=「あなたの番よ」と「あなたのターン[コーナー]よ」をかけている)コンテストには、シンガポール国内紙とは思えないような、遠く、スペイン、イギリス、ブラジル、カナダといった海外からのものを含めて1800に近い応募が集まり、その中から、「第1」、「第7」、「第10」コーナーの名称が決定。
審査員はこれら応募の中から、インパクトがあり、地元を連想させ、発音が複雑ではないことを前提に審査。優秀な作品が多く、最終決定にはかなりの苦労があったとのことだが、グリーティングカード・デザイナーである、アーサー・リム氏が最優秀賞として選出、シンガポールGPのグランドスタンド券、ピットウォーク券、コースサイドにあるホテルの宿泊券の2名分が贈呈される。
リム氏は第1コーナーを「シアーズ」と命名、これはこの場所でコースをまたぐ、ベンジャミン・シアーズ・ブリッジに由来、また語感がスピード感、スムーズ感を醸し出しているとしている。
シアーズ・ブリッジの元々の由来はシンガポールの第2代大統領から来ていて、シアーズ大統領は、就任の1971年から亡くなる1981年まで国の発展に寄与した。このコーナーの名称には、第1回シンガポールGPの勝者、フェルナンド・アロンソの名を挙げた応募者が多かったが、不採用となった。
2008年のレースでは最もオーバーテイクが見られた、第7コーナーは「メモリアル」と命名。これは第2次世界大戦で犠牲となった国民への慰霊モニュメントが近隣にあることによる。このモニュメントは「日本占領時期死難人民記念碑」で61mの4つの柱からなり、シンガポールを構成する4つの民族(中国人、マレー人、インド人、ユーラシア人)を表しているという。
そして、前回のシンガポールGPでキミ・ライコネンとジャンカルロ・フィジケラが犠牲となった“トリプルエイペックス”の第10コーナーは「シンガポールスリング」と名付けられた。有名なカクテルにちなんでものだが、このカクテルは近くにある、ラッフルズホテルにあるロングバーのナジャム・トン・ブーンが発明したと言われている。
シンガポールGPの副会長であり、今回のコンテストの審査員のひとりであるコリン・シン氏は「アイコンとして、コーナーはもっと敬意を払われるべきです。(シンガポールスリング・コーナーについて)選手はここでは気をつけなければならないが、うまく走ることができれば、勢いづくコーナーとなります。昨年のGPで走った選手の中には「Wall(壁)banger(ズドンとたたき込むもの)」とジョークで名付けていたようですが、私たちは、シンガポールスリングから名前をいただきました。国際的にも知られていて、どこのファンでも、すぐさま連想できるからです」とコメントしている。
F1 ニュース
シンガポールサーキットの3つのコーナーに新名称、一般公募から決定
