“シンガポール・ゲート”への関与により、F1復帰の道はほぼ絶たれたように思われるネルソン・ピケJrだが、NASCARのチームからオファーを受け、テストを行うようだ。
ピケ自身は再びF1に戻ってきたいと述べているものの、2008年シンガポールGPでの故意のクラッシュに自らの意思で関与しながら後に事件を告発し、ルノーF1チームのみならずF1全体を混乱に陥れた彼を雇うことはあり得ないというのが、ほぼすべてのF1チームの意見のようだ。
TMG社長ジョン・ハウエットは、事件の影響もあるが、元々ピケのパフォーマンスを評価していなかったとほのめかしている。
「正直言って、(シンガポールの)事件がなくても、彼のパフォーマンスを考えれば、シートを与えることはないだろう」とハウエットがコメントしたと、AP通信社が伝えている。
「この事件がさらにその考えに影響を及ぼしたと言えるかもしれない」
レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは「我々レッドブル・レーシングとしては、一切関心はない」とコメントしている。
ルノーの新チームプリンシパル、ボブ・ベルは「私が彼にシートを与えるというのはないと思う。私に言えるのはそれだけだ」と述べている。
しかしNASCARにおいてはピケに関心を示すチームがいたようだ。レッドホース・レーシングが、ピケにオファーをしたと伝えられている。ブラジルのテレビ局グローボは、ピケは、10月12日のテストに備え、すでにノースカロライナに足を運んでレッドホース・レーシングのトヨタ・タンドラのシート合わせを行ったと報じている。ピケは2010年はキャンピング・ワールドトラック・シリーズ、2011年にはネイションワイド・シリーズに出場した後、2012年にスプリントカップ・シリーズにステップアップするのではと伝えられている。