いよいよ次戦に迫ったF1日本グランプリ。F1ドライバーも続々と来日を果たす予定だが、そんなF1ドライバーの“素顔”はどんなものなのだろうか? このコーナーでは、F1 RACING誌に掲載されている大人気コーナー『質問があるなら直に訊け!』から抜粋。F1ドライバーの素顔を紹介しよう。第5回目は、ルノーのロバート・クビカだ。
ポーランド初のF1ドライバー。親友フェルナンド・アロンソの後任として今季ルノーを引っ張り、時にトップ3チームを食う活躍を見せている。2008年カナダGPで初優勝を挙げており、将来のチャンピオンと目され、フェラーリ行きのうわさが絶えない。落ち着いてみえるが現在25歳。
ポーランド人としてGP初勝利を飾った時はどんな気分でしたか?
ロバート・クビカ(RK):F1初のポーランド人ドライバーなんてことはどうでもいいけど、僕が走ることで、より多くの同朋がF1に関心を寄せてくれるのは嬉しいね。ポーランドのファンは本当に一生懸命応援してくれるから感謝している。
F1引退後にラリーで走る考えはありますか? あなた同様ラリー好きのキミ・ライコネンとふたりで、WRCのチームを立ち上げるというアイデアはいかがでしょう?
RK:僕もラリーには目がないから、欠かさず観るようにしているけど、今のところは趣味に留めておくよ。将来参戦するかどうかは、その時の僕の状況によるけど、可能性は高いと思っている。以前はラリーカーを持っていて、5年ほどのめり込んでよく走っていたんだ。
2007年カナダでの大クラッシュによる影響は? 自信を失ったりレースに対する考え方が変わった、ということはなかったですか?
RK:あの事故で僕という存在を初めて知ったという人が多いのは残念だ。あれほどの大事故で、大した怪我もしなかったのは幸運だったね。1戦欠場しただけでレースに復帰できたし、事故のせいでドライビングスタイルが変わったり、気持ちが折れたりしたこともない。自分のツキを確信できたというところかな。
アスリートとして、健康を維持しつつダイエットに成功した秘訣を教えてください。
RK:簡単なことさ。食べる量を極力抑えるようにしているだけ。もちろん、必要最小限のエネルギーは摂らなきゃいけないから、それなりに食べているし、毎年シーズンが終わると必ず体重は増える。僕のダイエット方法は、よくあるような恐ろしく苛酷なものじゃないんだ。ダイエットもメリハリをつけて、やるべき時期はキッチリやって、そうじゃない時はそれなりにすればいいのさ。でなきゃイヤになっちゃうだろ? 続かなければ意味がない。イタリア料理が大好きなんだけど、ダイエットには良くないから、今は我慢しているんだ。
F1スターの仲間入りをして、女性にモテるようになったのではありませんか? グリッドガールを口説いたりしますか?
RK:今のガールフレンドとは付き合いも長くて、とてもうまくいっている。僕のスケジュールは彼女との予定で一杯だから、別の女性が割り込む隙はないな(笑)。
母国ポーランドのモータースポーツ界に、どのような形で恩返ししたいと思いますか? あなたに続く若き才能を発掘するとか?
RK:カートやシングルシーターで、結構うまいポーランド人が何人かいるのは知っている。でも、僕はまだ才能ある若者を援助しようなんて立場じゃない。僕自身駆け出しで、まだまだ学ぶべきことが山ほどあるし、実現したい夢もたくさんある。今は自分のことで精一杯さ。母国への恩返しとか新人発掘とか、そんな話をするのは10年、いや15年早いんじゃない?
マシンに多くを期待できない時は、モチベーションを保つのに苦労しますか?
RK:ハッキリ言ってしまえば、18番手スタートでポイントの可能性も皆無なら、トップ争いをしている時みたいな限界ギリギリの走りをレース後半まで保つことはない。でも、レースに対するアプローチはどんな場合でも一緒だし、いい結果を得るチャンスがわずかでもあるなら、最大限の力を出し切るようにしている。3位を走っていたら、どんなリスクを冒してでも2位を狙いにいくけど、16位で同じことをしていたら、そりゃバカだろ。
このインタビューはF1 RACINGの記事から抜粋したものです。
全文はF1 RACING 2009年9月情報号をご覧ください。