レッドブル・レーシングは、モナコGPでセバスチャン・ベッテルの最初のピットストップでプライムタイヤを装着したのはトラブルによるミスだったと明かした。ベッテルは予定を変更して1回ストップで走りきり、勝利を手にした。
ベッテルは序盤からレースをリード、15周目、2番手を走るジェンソン・バトンがピットインしたことに反応し、ベッテルもピットインを行ったが、この際にバトンに前に出られてしまった。さらにチームはスーパーソフトから同じスーパーソフトに換える計画だったが、チーム内の無線のトラブルによって誤ってソフトタイヤを装着してしまったという。
その後、ベッテル自身が勝つためにそのタイヤで最後まで走りきるという選択をし、終盤の赤旗に助けられる形で彼はモナコ初勝利を飾った。
チームプリンシパルのクリスチャン・ホーナーは、その際の状況を次のように説明した。
「無線にトラブルがあった。ふたりのドライバーをその周に入れる予定だったが、無線に問題があり、ガレージのスタッフがその指令を受け取れなかった。彼らはどのタイヤを装着すればいいのか分からなかったのだ」
「結局セブのマシンにはプライムが装着された。それは計画とは違った。我々はオプションからオプションに換えてジェンソンをカバーするつもりだったのだ」
ホーナーは、ベッテルが最後までいいコンディションで戦うにはあと1回ピットストップが必要だろうと考えたが、ベッテルが無交換を提案したという。ライバルたちと違ってセーフティカー出動時にピットインしなかったベッテルが勝つにはそのまま走り続けるしかなかった。
「我々はハード側のタイヤで走っていた。我々が優勝を狙えるようになるにはどういう選択肢をとればいいのかを検討しなければならなかった。最善の選択肢はそのまま長く走り続け、1回ストップで走りきることだが、20周目の段階ではプライムで60周余りを走るのはアグレッシブすぎると考えた」
「ジェンソンはオプションから再びオプションに換えた。それで我々は少し楽になった。リスクのある戦略だったが、セバスチャンはうまくやり遂げてくれた」
「レースが中断した時、彼はこれに助けられ、新品オプションをつけることができ、これで最後まで走りきった。だがそれがなくても彼は勝ったと思う」
ベッテルは次のように述べている。
「セーフティカーが出動し、僕らはトップに立った。僕はチームに対してステイアウトしたいと言った。それが優勝できる唯一の手段だったからだ」