2013年F1ブラジルGPの日曜決勝で、レッドブル・レーシングのマーク・ウエーバーは2位を獲得した。
■インフィニティ・レッドブル・レーシング
マーク・ウエーバー 決勝=2位
最後のラップでヘルメットを脱いで走れてとてもよかった。F1では何かをするのに個人的なやり方を取り入れるのが常に可能だとは限らないんだ。
僕らは常にヘルメットを装着して走っているから、F1ドライバーがヘルメットをつけずにマシンに乗っているのをファンが見られるのは珍しい。
僕としても、ヘルメットをとってマーシャルやファンを見ることができて嬉しかった。とても素敵な経験だった。いつもは聞こえないようなたくさんの音が聞こえてきたよ。
今日僕にとって一番難しかったのは、マシンに最後に乗り込む瞬間だ。正直に言うと感情に圧倒されたよ。
今日一日の中で、一番激しい感情を感じたのは、ヘルメットをつけてマシンに乗り込む瞬間だった。
ラインを越えて皆が見えた時は最高の気分だった。クリスチャン(・ホーナー)から無線で最後のラップを楽しむよう言ってきたので、そのとおり楽しんだよ。できるだけゆっくり走った。とても特別な一日だった。
セブ(ベッテル)と僕はこの年月の中で難しい部分を抱えていた。フェルナンド(・アロンソ)は別のチームのドライバーだから、彼との方がいい関係を築きやすかった。今日は、今の世代で最も優れたドライバーであるこのふたりと表彰台に立つことができた。
彼らとは多くのレースを戦ってきた。彼らと一緒に最後の表彰台フィニッシュを成し遂げたのは僕にとって素晴らしいことだ。僕がキャリアの最後にいい走りができたということであり、(引退の)タイミングが正しかったということだから、とても大きな意味がある。
F1というスポーツを僕は愛してきた。自分がこういうキャリアを送るとは思いもよらなかった。とてつもなく素晴らしい瞬間も、非常に辛い瞬間もあった。厳しい出来事が起こり得るのは仕方のないことであり、人は逆境から学ぶことができる。
一番大きく強烈な記憶は、マシンに乗っている時のことだ。僕らは走るために訓練してきた。限界ぎりぎりで走ることが僕の仕事であり、それを楽しんできた。F1の世界にいたひとりの人間として、それこそが一番強い記憶として残る。