F1第1戦オーストラリアGPの決勝でトップ10入りを果たしたドライバーたちが、レースを振り返った。
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
「このチームは本当に素晴らしい成果を見せたね。信じられないような思いだ。昨年の最終戦と同じ好調さで今シーズンをスタートできるなんて本当に嬉しい。マシンは素晴らしいし、チームには心から感謝している。それでもきついレースだった。ニコ(・ロズベルグ)が一貫してものすごく速かったからだ。燃料やタイヤをうまく管理することが重要で、プッシュしながらどれだけ持たせることができるかを考えながら走った。2秒のギャップを築いた後は、それをキープするよう心がけた。でもニコがペースを上げてきた時はきつかったよ。彼の走りは素晴らしかった。1-2でシーズンをスタートすることができ、チームにとって最高の結果だ。フェラーリが表彰台に戻ってきたのは嬉しいね。彼らは大きく進歩したようだし、今年はいずれ彼らといい戦いができると思う。僕らも油断できないね。今日の表彰台は最高だった。あまりスターと会う機会はないから、ターミネーターと一緒に表彰台に立ったなんて信じられないよ! 今週末はたくさんのことを学べたので、マレーシアの前に分析をする。さらに改善する方法を見つけていきたい。今日後方に大きなギャップを築けたからといってのんびりするつもりはない。まだ先は長いからね」
ニコ・ロズベルグ 決勝=2位
「チームにとって素晴らしい開幕戦だった。今年も僕らのマシンが最速だし、誰もが素晴らしい仕事をしてくれている。ファクトリーのスタッフには心から感謝したい。今の時点でルイス(・ハミルトン)とは1対ゼロで負けている。彼は今週末、全くミスをせずに完璧な仕事をやり遂げた。金曜から日曜にかけて大きく向上したよね。昨日の予選が終わった時点で僕は後れを取ってしまい、決勝で挽回するのは難しかった。もっと土曜をうまくやらなければ。去年みたいにね。でもシーズンは長く、まだたくさんのレースが残っている。マレーシアで反撃するために集中していく。朝早く起きて僕らの活躍を祈ってくれたヨーロッパのファンにも感謝したい。熱心に応援してもらえてとても嬉しい」
セバスチャン・ベッテル 決勝=3位
「表彰式でイタリア国家は流れなかったけれど、今週末の戦いに大満足だ。小さなミスでキミ(・ライコネン)が完走できなかったのは残念だけど、全体的にとてもスムーズな週末だった。一番重要なのは僕らのマシンが優れているということ。これをベースにさらに改良するために作業を続けていく。オーストラリアの現場にいるスタッフにも、マラネロで懸命に働いてくれているスタッフにも、感謝と祝福の言葉を贈りたい。彼らがいたからこそ、この結果が可能になった。最高のスタートを決めたとは言えない。かなりホイールスピンしてしまった。イン側のラインを維持しようとした時、タイヤがまだ冷えていた。(スタート直後の1コーナーでライコネンと当たったかと聞かれ)分からない。彼の方がスタートはよかった。僕はブレーキングで少し遅れ、彼とサイド・バイ・サイドになった。僕はターン1をタイトにうまく回ることができず、彼はいくつかポジションを落とした。でも当たってはいないと思う。僕は何も感じなかった。レース戦略は素晴らしかった。ウイリアムズはトップスピードが優れていたが、ピットストップで彼らの前に出ることができた。自分たちのパフォーマンスに関しては今後のレース1戦1戦で確かめていく。今回一度きりのものではないことを確認しなければならない。メルセデスとの差を縮めていけるといいね。ギャップは大きいけれど、全チームの中で冬の間に一番向上したのは僕らだと思う。昔からフェラーリに乗ることを夢見ていた。正しい時期にそれが実現したね。表彰台でシャンパンを飲んだけれど、チームのために残しておいたよ。皆、大好きだと聞いていたから。ファンにも感謝したい。僕らのマシンは予選だけでなく決勝でも素晴らしかった。今後も表彰台に上り、何度か勝てるといいね。密かにずっと(フェラーリの)ファンだったけれど、今は堂々とファンだと言える。パレードラップの時から感動していた。赤いマシンに乗れるのは名誉なことだ。レース中、1周1周を懸命に走っている時には色のことは考えないが、チェッカーフラッグを受けた時、本当に感動したよ」
フェリペ・マッサ 決勝=4位
「今日の目標は、たくさんのポイントを獲得し、僕らのマシンに競争力があるということを証明することだった。目指していたことの大部分を達成し、シーズンをいい形でスタートできたと思う。今日残念だったのは、最初のピットストップで(セバスチャン・)ベッテルに前に出られてしまったことだ。アウトラップで(ダニエル・)リカルドの後ろで1.5秒ロスしたために順位を落とした。チームとマシンを信頼しているし、マレーシアでは間違いなく戦えると思う」
フェリペ・ナスル 決勝=5位
「F1デビュー戦で5位という結果にすごく満足している。チームのためにも僕自身のためにも、入賞することができてすごくほっとした。こういう結果を出せてすごく嬉しい。難しいレースだった。スタート直後のターン1は大混乱で、他のドライバーにホイールにヒットされた。クルマが壊れたと思ったが、数周走ってみて何も問題ないことに気付いた。その後はレースは予定どおりに進んだ。最初から最後まで後ろからプレッシャーをかけられていたので楽ではなかった。僕もチームの皆もこのレースを終えて胸がいっぱいになった。(一部からペイドライバーと呼ばれることに関して聞かれ)コース上で結果を出すことでそれに対して答えることができたと思う。なぜペイドライバーと言われるのか分からない。僕の家族にはドライバー活動を続けるための資金を出す余裕がないが、代わりに昔からずっと僕に投資してくれる人たちがいる。レッドブルのサポートを受けてお金をもらって走るのと、サポートしたいというスポンサーを持っていることと、そのふたつにどういう違いがあるんだろう。僕がペイドライバーだという印象を人はどうして持つのか分からない。スポンサーのロゴを自分のマシンにつけたらいけないっていうのかな。こんな風に言われるのはおかしいと思う。(フィニッシュ直前には)特別な気持ちになった。これ以上ないほど嬉しかった。夢がかなったんだ。F1に来るまで何年も苦労した。だからこそフィニッシュラインが見えてきた時にはほっとした。最初から僕を信じてくれた人たちのことを思って本当に嬉しかった。もちろんチームのことも考えた。彼らは去年とても苦労してきたからね。いろいろな気持ちが混ざり合って、フィニッシュラインが見えた時には本当に嬉しかった」
ダニエル・リカルド 決勝=6位
「あまりエキサイティングなレースだったとはいえないね。スタートの後、(フェリペ・)ナスルについていくことはできたが、仕掛けられるほどは接近できなかった。完走してポイントを獲得できたのはいいことだし、学ぶこともあった。理論的に考えて今日は6位が精いっぱいだったと思う。(トラブルでスタートできなかった)ダニー(クビアト)は気の毒だった。マレーシアはもっと順調な週末になるといいね。改善すべき点は主にどこかというと、ドライバビリティとパワーだ。そこを大きく改善する必要がある。さらに厳しいのは、シャシーに関しては、他の問題を抱えているために、まだ限界まで試せていないことだ。やるべきことは多い。でも今週末、たくさんのデータを集めたから、マレーシアに向けてそれが役立つだろう。今日は走るのが楽ではなかった。ザウバーを何とかして抜こうと頑張ったけれど、単純にそれだけの速さがなかった。マシンに一貫性がないんだ。1周ごとに変化するから、マシンについてはっきりした判断を下すことができない。冬のテストは去年よりずっとうまくいっていたのに、上位とのペースの差は1秒どころではなく2秒や2.5秒ぐらいある。主な原因がどこにあるのか分かってはいるが、他にも何かがあり、それは予想していなかった。僕らがトップから大きく遅れているのは間違いないが、これが現実だから最善を尽くすしかない。いずれ挽回できると思うけど、少し時間がかかるかもしれない」
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=7位
「今日の結果にはとても満足している。開幕戦で2台揃って入賞できたのだから今後に期待が持てるよ。いいレースだった。僕は全くミスをしなかったし、マシンの信頼性は高く、そのおかげでライバルたちのトラブルを自分たちのチャンスに変えることができた。シーズンのこの時期には訪れるチャンスはすべてうまく利用することが大切だ。肝心な場面でうまく対処することができ、いい戦略を実行し、プレッシャーの中で結果を出した。パフォーマンスに関してはまだ望む状態には至っていないが、チームの全員がマシンを速くするために必死に頑張っている。開幕戦でポイントを獲得できたので、2週間後のマレーシアが楽しみだ。また一歩前進できるといいね」
マーカス・エリクソン 決勝=8位
「冬の間、チームは最高の仕事をしてくれた。ここメルボルンに来ているスタッフにとっても、ファクトリーで働いているスタッフにとっても、開幕戦でこういう結果を出せたのは素晴らしいことだ。プレシーズンテストの中で大きく進歩してきたし、今回こういう結果を実現できて、チームの皆にとってよかったと本当に嬉しく思っている。僕自身はF1で初ポイントを獲得することができ、大きな目標を達成できた。次のレースではここからさらに向上していけるだろう」
カルロス・サインツJr. 決勝=9位
「F1デビュー戦でポイントを獲得することができて本当に嬉しい。今日は9位よりずっと上を獲得できるだけのポテンシャルがあったのは分かっている。今日起きたいろいろな出来事について検討し、前向きな気持ちを保って前進し続け、自分たちのことを信じ続けなければならない。僕らにはもっといい結果を出す力があることは分かっているからね。今日のレースはとても楽しかった。すごくいいスタートを決めたし、ターン1へのバトルもよかった。ただ少し楽観的すぎたかもしれないから、その点は学習した。ピットストップで時間がかかってしまった。チームにとって辛い瞬間だったよ。とてもいい位置にいたのに大量の時間を失ったんだ。その後はレースの状況が変わり、無事に完走することに集中して走った。初のF1レースウイークエンドに満足している。自分の目標すべてを達成できたと感じているからね。2週間後のマレーシアGPが楽しみだよ」
セルジオ・ペレス 決勝=10位
「いつもと違うレースで、いろいろなことが起きた。それでも最終的に1ポイント獲得できたし、ニコもチームにたくさんのポイントをもたらしたので満足だ。チームのチャンスを最大限に高めるために、ニコと僕は違う戦略で走った。僕はレース終盤にソフトタイヤでプッシュできるようミディアムタイヤでスタートした。でも残念なことにセーフティカーの後、FIAから(マーカス・)エリクソンにポジションを返すよう言われ、その結果(ジェンソン・)バトンの後ろに下がることになった。これは本当に痛かった。バトンはソフトタイヤを履いていて、僕の方が速かったのは確かだけどそれでもオーバーテイクするのは簡単ではなかった。それで順位をたくさん失うことになった。でも難しいレースの末に1ポイント獲得できたというポジティブな面に目を向けたい。チームにとっていい結果だった」