世界ツーリングカー選手権(WTCC)は2日、2016年の開催スケジュールを世界モータースポーツ評議会(WMSC)に提出。WMSCはこれを承認した。来季は全12戦での開催となるが、開幕戦の開催地が未定となっている。

 事前の噂通り、2016年カレンダーに新しいラウンドの追加は行われなかった。未定となっている開幕戦はロシアで行われると見込まれており、開催地はこれまでのモスクワレースウェイからF1も開催されるソチに移されるとみられている。

 そのほか、現地プロモーターとの合意が遅れている影響で今年は3月に行われたアルゼンチンラウンドが8月に移動しているほか、スロバキアラウンドが6月から4月に前倒しされている。

 WTCCの責任者フランソワ・リベイロは「現在、最終調整を行っている段階だが、来季も全12ラウンドを開催するということが重要だ」と語った。

「クリスマス休暇までには調整が済み、2016年カレンダーの確定版を発表できると思っている。これまでと同様、バラエティ豊かでチャレンジングな開催地で引き続きレースを開催できて嬉しいよ」

 また、来季のWTCCはレースフォーマットにも変更が加えられる、決勝日に行われる2レースのうち、レース1はノックアウト予選Q2のリバースグリッドで争われ、“メインレース”となるレース2は予選Q3の結果通りのグリッドで行われる。

「これまで予選最速だったドライバーが週末最後のレースではグリッド最前列にいなかった。レース1/レース2というコンセプトをファンやメディア、ゲストに理解してもらうのはかなり苦労したんだ」とリベイロ。

「FIAやマニュファクチャラー、チーム、ドライバーと協議して、シンプルなレースフォーマットへ変更することにしたんだ」

「フォーマットを変更した目的は誰でも理解しやすく、レースウィークの最後まで観客を惹きつけられるようにすること。すでに多くのスポーツでは同じ取り組みを行っている」

「ただ、リバースグリッドも我々にとって重要な要素なんだ。だから“オープニングレース”に採用することにした」

 また、2016年のWTCCでは予選後、新たにタイムトライアル形式の“MAC3”が行われることとなった。これはツール・ド・フランスなどの自転車競技からインスパイアされたもので、各マニュファクチャラーから3台ずつが参加し、サイド・バイ・サイドの状態からコースを2周~3周(ニュルブルクリンクは1周)。3台の合計タイムが最も速かったマニュファクチャラーに選手権のボーナスポイントが与えられる。

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