2016年3月7日
トヨタ自動車(株)モータースポーツマーケティング部
地元カイル・ブッシュが最後まで首位を争うも4位フィニッシュ
ラスベガスで行われたNASCARスプリント・カップ・シリーズでは、中団スタートとなった地元出身のカイル・ブッシュが追い上げ、終盤首位に立つも、不運なトラブルで4位フィニッシュ。地元での完全勝利は叶わなかった。前日のエクスフィニティ・シリーズでは、カイル・ブッシュがポール・トゥ・ウィンで完勝。自身とトヨタにとって初のエクスフィニティ・シリーズでのラスベガス勝利を飾った。若手のダニエル・サレスとエリック・ジョーンズも好走を見せ2位、3位で続き、“トヨタ カムリ”は1-2-3フィニッシュを果たした。
3月6日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第3戦「Kobalt 400」が開催された。
ラスベガスは昨年のシリーズチャンピオンであるカイル・ブッシュの地元。カイル・ブッシュ自身はラスベガスで2009年にポール・トゥ・ウィン。2013年にはマット・ケンゼスが勝利を挙げている。カイル・ブッシュは前日に行われたエクスフィニティ・シリーズで、ラスベガスでのシリーズ初勝利を挙げており、地元での完全勝利を目指し臨んだ。
3日(木)のテスト走行、4日(金)午前中の練習走行に続き、午後4時45分より予選開始。ケンゼスが3番手、ハムリンが9番手、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が10番手。カイル・ブッシュは23番手と中団の位置に。エドワーズは24番手タイムをマークしたが、予選セッション中にクラッシュ。決勝ではバックアップカーに乗り換えることになったため、フォーメーションラップ時に最後尾グリッドへと後退してスタートを切ることとなった。
6日(日)正午過ぎからレース前のセレモニーが開始されたが、このセレモニー中に軽い降雨があり、雨が止んだ後、“トヨタ タンドラ”に搭載されたコース乾燥システム“エア・タイタン“でコース路面を乾燥。予定よりも20分ほど遅れた午後1時11分、かなりの強風が吹き荒れる中、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
序盤からケンゼスが上位を争い、後方からはカイル・ブッシュとエドワーズが徐々にポジションアップ。カイル・ブッシュは98周目のこの日2度目のイエローコーションで2本タイヤ交換作戦を採り、3位へとジャンプアップ。
中盤にこの日2度目となるグリーンフラッグピットを終えた後、178周目にはコース上の異物、198周目にクラッシュで連続でのイエローコーション。残りはフルに給油してぎりぎり届くかどうかと言う微妙な周回。加えてそれまで青空が覗いていたが、急に砂嵐に見舞われ、軽い雨も感じられるなど、難しい状況下でのピットとなった。
ケンゼス、カイル・ブッシュらは2本タイヤ交換作戦を採り、ケンゼスが首位浮上。カイル・ブッシュも3位へ。トゥルーエクス・Jr.が6位。エドワーズ9位で再スタート。ケンゼスは好スタートで首位を守り、カイル・ブッシュも3位をキープ。
しかし、215周目にスピン車両によりイエローコーション。残り50周弱と、ほぼ確実に最後まで走り切れる周回で、ほとんどの車両がピットへ向かったが、3台がコース上に残り、最後まで走るギャンブルに出た。
ピットインしたケンゼスとカイル・ブッシュは5,6位と、3列目に並んでの再スタートを切ったが、カイル・ブッシュが素晴らしいダッシュを決め、ターン1から2にかけて、3ワイドのアウト側から2列目の2台をかわすと、バックストレートで一気にイン側へ切り込み、ターン3から4にかけて最前列の2台もパス。再スタート後1周で首位を奪取した。
しかしその直後、トゥルーエクス・Jr.とサイド・バイ・サイドの7位争いを繰り広げていたケンゼスがスピン。後続がこれに突っ込み多重クラッシュに。この混乱を避けようとしたエドワーズも巻き込まれた。ケンゼスの車両はダメージが大きく、無念の戦線離脱。
このアクシデントでこの日6度目のイエローコーション。上位勢はピットインせず、残り35周、カイル・ブッシュが首位から絶好の再スタートを切り後続を引き離していった。2位との差は一時1秒以上に開き、独走状態となったが、残りが15周を切ったあたりからカイル・ブッシュは右前ホイールからの異常振動を訴え、ハンドリングも悪化し、その差を詰められることに。
何とか逃げ切るべく健闘を続けたカイル・ブッシュだったが、残り6周で惜しくもライバルの先行を許し、2位へ後退。その後もハンドリングに苦しみ、最終的に4位でチェッカーを受けた。
惜しくも地元での勝利は叶わなかったカイル・ブッシュだが、トヨタ勢最上位の4位、そして開幕からの3戦連続トップ4フィニッシュと好調なレースを続けており、ドライバーズランキングでは首位の座を守った。
次戦第4戦は3月13日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
カイル・ブッシュ:
「最後は酷い振動に見舞われてしまった。何が起こったのかわからず、出来る限りの努力を続けたがハンドリングの悪化はどうにもならなかった。とはいえ、素晴らしい“トヨタ カムリ”を用意してくれたチームには本当に感謝している。この週末は非常に苦戦した。レースウィーク序盤のことを考えればこの結果は予想外だ。勝てなかったが、良いレースで、トップ5でフィニッシュ出来た。近いうちに勝てるはずだ」