「トップ争いに食い込める」とバンドーン。ライバルも警戒
全日本スーパーフォーミュラ選手権の今季初テストに臨んだ注目のドライバー、ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION RACING)は総合10番手でセッションを終えた。
昨年のGP2王者で、2017年にはF1シートを獲得するとも言われているバンドーン。テストには平日にもかかわらず多くのファンが姿をみせ、ダンディライアンのピット裏では彼からサインをもらおうと多くのファンが待っているほど。迎え撃つライバルも今季初テストで彼がどんな走りを見せるのか、かなり注目していた。
雨の初日はクラッシュで早々と走行を終えてしまったが、ドライコンディションに回復した2日目は上位陣と遜色ないタイムを記録。午前中はトップのアンドレ・ロッテラーに0.3秒差にせまる1分37秒708をマークし、午後も走り出しからいきなり1分37秒台を記録した。
その後、デグナーのふたつ目でクラッシュを喫したが、セッション終盤に再びコースに戻ると、最後はニュータイヤのアタックで1分37秒322を叩き出した。
順位だけをみれば10番手だが、トップとは0.6秒差。途中、クラッシュで走れなかった時間を考えると、実際にはもう少しギャップも縮まっていたという見方もできる。鈴鹿ファン感謝デーのテストランも含め、トータル118周を走破したバンドーンは、手応えを感じている様子だ。
「今回のテストを通してかなり前進することができた。クルマの理解度も深まったと思う。残念ながらデグナーのひとつ目でワイドにいってしまい、そのままコースアウトしてクラッシュしてしまった。でも、それで終わることなく再び走ることができてよかった。これからもっともっと良くなっていくと思うし、岡山のテストではさらにレベルアップできていると思うよ」
昨年までのGP2とは違って、スーパーフォーミュラはドライバー間のタイムギャップが少なく、今回のテストでも上位13人がコンマ8秒以内。トップ4はコンマ1秒以内の超接戦だった。バンドーンは今季初テストで、僅差の集団に自分も入れたことが開幕戦に向けて自信につながったと感じているようだ。
「あとはファインチューニングをやっていけば、トップ争いに食い込めると思っている。このテストでこの位置に来れたというのは良かったよ」
今後は3月末の岡山テストを経て、来月にはいよいよ開幕戦を鈴鹿で迎える。いきなりトップ争いに食い込む彼の姿を期待するファンも多いだろうが、バンドーン自身はかなり慎重に考えている様子だ。
「まだ開幕戦のことについて何かを話す時期じゃない。でも常にレースに目を向けて、今できることをこなしていっている。今回のテストでたくさん走って色々なことを得られた。確実に前進しているし、準備も進んでいる」とコメント。
ただ、ライバルたちもバンドーンの走りは気になっていたようで、特にチャンピオンの石浦は「クラッシュするまでのタイムを見ていると、やっぱり速いなと感じました。だから途中のクラッシュがなかったら、もうちょっと良いところまで来ていたと思う」と、早くも警戒しているのが印象的だった。
開幕戦までの公式テストは、岡山の1回のみ。今度はどこまで上位に近づいてくるのか、目が離せない。