インディカー参戦7年目を迎える佐藤琢磨。AJフォイト・エンタープライゼスで戦う4シーズン目の開幕戦は、予選11番手、決勝6位という結果で終わった。

競争が激烈なインディカー・シリーズで安定して高い成績を残すためには、1台体制はかなり厳しい時代となっている。テスト日数が限定され、各サーキットでのレースウイーク走行時間も短くなっている今、3台、4台のマルチカー体制を敷いてデータを豊富に集め、それを武器に戦うことがトップチームの間では常識となっているからだ。AJフォイト・エンタープライゼスも、2015年から2カーへと体制を拡大。その際に中心に据えられるドライバーに琢磨は選ばれた。AJ好みのファイターでありながら、エンジニアリングでチームをリードできる力を備えているからだ。

現在のチームを取り仕切る二世代目のラリー・フォイトは、継続性を重視性し、2015年と同じ琢磨+ジャック・ホークスワースのドライバーコンビネーションで2016年シーズンを戦うことに決めた。そうしたラリーのビジョンは着実に実を結びつつある。

2016年の開幕戦セント・ピータースバーグはそういうレースになっていた。3回のプラクティスでセッティングを手分けして行ったことにより、琢磨とホークスワースは予選の第2セグメントまで揃って駒を進めることができた。ファイナルセグメントにこそ進出できなかったが、ふたり以上を第2セグメントで戦わせることができていたのは、ペンスキーとフォイトの2チームだけ。チップ・ガナッシも、アンドレッティ・オートスポートも実現できなかったことをラリーが陣頭指揮を取るチームはやってのけた。琢磨はセグメント2で果敢なセッティング変更を試み、予選11位。大きな賭けはせず、着実な攻め方を貫いたホークスワース陣営は予選10位を手に入れた。

迎えた決勝、14号車の琢磨陣営は、ネバー・ギブアップの精神で6位フィニッシュを達成した。ホークスワースも11位でフィニッシュ。チームとして力強いシーズンのスタートを切る印象を与えた。

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