D’station Racing 2018スーパーGT第6戦SUGO レースレポート
D’station Racing
Race Report 007 – 2018.9.17
混乱のレースを生き残るも
ウエイトハンデに苦しみ得点ならず
AUTOBACS SUPER GT SERIES Round.6 Sugo
June 30 – July 1 2018
第5戦富士でもポイントを積み重ね、藤井誠暢とスヴェン・ミューラーのふたりがランキング8位と、タイトルを争い続けているD’station Racing。シーズンも残すところ3レースとなり、迎える第6戦はスポーツランドSUGOでのレースだ。ポルシェ911 GT3 Rとは決して相性がいいコースではないが、落とすわけにもいかないレース。チームは第5戦の後、昨年は参戦できなかったミューラーの習熟も兼ね、タイヤメーカーテストに参加。セットアップを煮詰めていた。
ただ、迎えた9月15日(土)の公式練習では、持ち込みのセットアップがチームの期待に反していることが早々に分かってしまう。藤井がステアリングを握りコースインしたが、十分な速さがない。藤井はD’station Porscheの状態を伝えると、公式練習中にセット変更に着手した。雨が降り出し走行中にウエットコンディションとなってしまい、ベストタイムは1分20秒692で22番手となったが、この間にバランスは好転させることができた。
公式練習の後、雨は止み路面はふたたびドライに転じた。午後2時からの公式予選は、スリックタイヤで走ることができそうだ。今回、コース長の短いコースが舞台ということもあり、GT300クラスの予選Q1はふた組に分けられている。D’station PorscheはA組からの出走だ。
バランスは好転したものの、僅差のGT300での予選Q1突破を確実にするべく、藤井をアタッカーに据えアタックに挑む。藤井はしっかりとタイヤを温め、4周目に1分19秒729というベストタイムをマークするものの、A組の10番手で、惜しくもQ2進出はならなかった。
今回、同じポルシェ911 GT3 Rを使う#9が好調ではあったが、このスポーツランドSUGOは非常にアップダウンが激しく、ウエイトハンデの影響が最も大きく出る。今季ここまでポイントを積み重ねてきたD’station Porscheには、56kgものウエイトハンデが載っていたのだ。僅差のなかでこのハンデは非常に大きく、それゆえ藤井のアタックにも関わらず、Q1突破がならなかったというわけだ。藤井は「バランスは悪くない」と悔しい結果ながら、翌日の決勝に向けての策をチームとともに練っていった。
明けた9月16日(日)の決勝日は、事前の天気予報では雨の予想も出ていたが、晴天のもとで迎えた。午後2時からの決勝で、スタートドライバーを務めたのはミューラーだ。28,500人というファンが見守るなか、ミューラーはD’station Porscheのアクセルを踏み込んでいった。
スタート直後こそD’station Porscheのパフォーマンスを活かし、ポジションを上げることに成功する。ただ、数周も過ぎると暑さもありフロントタイヤが苦しくなり始めてしまい、ミューラーは苦戦。前を行く#65 メルセデスを追うどころか、後方から迫る#50メルセデスらとバトルを展開することになってしまった。
この状況を見たチームは、ドライバーひとりの最低規定周回数を計算し、ミニマムとなる23周を終えてミューラーをピットに呼び戻す。ここでチームはタイヤ交換と給油を実施し、藤井にドライバー交代を行った。
当然、ミニマムのピットインでは、藤井は非常に長いスティントを走らなければならない。ただ、ここからが藤井の腕のみせどころ。タイヤを慎重にマネージメントしつつ戦いを勝ち抜き、ひとつ、またひとつとポジションを上げていった。
終盤、GT500クラスが69周を終える頃になると、#31 プリウスGTのクラッシュによりセーフティカーが導入される。ふたたび前とのギャップも縮まり、逆にセーフティカーのタイミングで後方につけていた#50メルセデスとの差は広がる。あとは前を追うのみ……となったが、リスタート後、ハンデが厳しいD’station Porscheはなかなか順位挽回には至らず、藤井はそのまま12位でチェッカーを受けることになった。
得点こそならなかったが、苦しいなかでもトップとは大きく離されず戦いきることはできた。ここで得た糧は、必ず残り2戦で活きてくるはずだ。