ARTA NSX GT3 2019スーパーGT第7戦SUGO 決勝レポート
第7戦 スポーツランドSUGO
恵みの雨、チームワークでパーフェクトレース。今季初優勝
15:00頃から雨が降る予報だったが、スタート直前に小雨が降り始めた。国歌斉唱が終わる頃には路面も完全に濡れていた。チームはウェットタイヤを選択し、高木真一選手を送り出した。
セーフティーカースタートで3周目にスタートが切られた。このコンディションに車が合っているのか、高木は早くも1コーナーでトップに躍り出る。その後は快調に飛ばし、後続との差を広げる。
30周を過ぎたあたりから雨量が徐々に増えてきたので、セーフティーカー導入によるリスクを避ける為にチームは高木を予定より早めにピットへ入れる事にした。それを決めたのが36周目だったが、ちょうどその時に500クラスの車両がコースアウトしてしまい、セーフティーカーが導入された。間一髪のタイミングでギリギリピットへ入る事に成功し、福住仁嶺選手に後半を託した。
福住は4番手でコースに復帰した。リスタートが切られたと同時に他車がルーティンのピットインを行い、1番手に返り咲いた。序盤は2番手の車両に背後まで迫られたが、タイヤが暖まってからはペースがあがり、危なげない走りで今季初優勝を飾った。福住はSUPER GT初優勝。高木は21勝目を記録した。ランキングはトップのまま最終戦を迎える。
土屋圭市アドバイザーのコメント
「素晴らしいチームワークだったね。走りもメカニックたちの動きも良かった。この調子を維持してチャンピオンを獲得したいね」
一瀬俊浩エンジニアのコメント
「昨日のドライでのバランスが良かったのでそれをベースプラス、8月のテストのウェットのセットをミックスしました。ウォームアップはドライで、ペースがあまり良くなかったのでドライでもいけるように少しアジャストしました。直前でウェットコンディションになったものの、そのセットでもパフォーマンスを発揮する事が出来ました。ピットインのタイミングも完璧で、ドライバーの頑張りとチームワークで勝てたと思います。最終戦はこの車両が茂木に合っているどうか分からないので、ここで勝てたのは大きいです」
高木真一選手のコメント
「もしこのままチャンピオンを獲れたとしたら無冠のチャンピオンになるところでしたし、まさかここで勝てると思わなかったので恵みの雨でしたね。ブリヂストンタイヤはハーフウェット、フルウェットでも安定したパフォーマンスを発揮してくれたし、チームも良い車を作ってくれたのでこの結果につながったので、皆さんに感謝したいと思います。最終戦はタフな戦いになると思いますが、集中してチャンピオンを獲りにいきたいです」
福住仁嶺選手のコメント
「今回は車も良く、ピットインのタイミングも良く、全てが上手く行って、お陰様で優勝する事が出来ました。僕自身も初優勝する事が出来たので非常に嬉しいです。後半のスティントを担当させてもらったのですが、序盤はタイヤに熱が入るまで2番手の車に背後まで迫られてしまい苦戦しましたが、タイヤが暖まってからは安定したペースで走る事が出来ました。終盤は500クラスの車両と同じペースになってしまい、周回数の関係から燃費走行を強いられました。途中500クラスの車両に追いついてタイムロスをしてしまい焦りましたが、燃費の心配がなくなったと無線が入ったので燃費走行をやめて速いペースで最後まで走り切る事が出来ました。亜久里さん、土屋さんのアドバイス、高木さん、チーム、ブリヂストンさん、ホンダさん、その他オートバックスさん、ご支援くださった皆さんのお陰ですので、最終戦をしっかり戦ってチャンピオンを獲って恩返ししたいです」