更新日: 2022.09.19 02:09
LMcorsa 2022スーパーGT第6戦SUGO 決勝レポート
S-GT2022 rd6 SUGO Final
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT
フロントロウからスタートした決勝レースだったが
序盤に振りだした雨によって翻弄され
ドライバーはミスなく走り切ったものの15位に終わる
気象データ 気温:27度、路面温度:33度(スタート時)
AUTOBACS SUPER GT 2022 SERIESの第6戦が宮城県のスポーツランドSUGOで開催され、9月18日(日)には300kmの決勝レースが行われた。年間8戦のシリーズは終盤戦に入り、残すところ3戦で熾烈なシリーズランキング争いも注目される。
昨年のスポーツランドSUGO戦は予選で3番手となり、決勝レースはポジションを下げたものの5位でフィニッシュしていてGR Supra GTとの相性が良いとされるコース。それだけにチームの士気も高く、上位フィニッシュして多くのポイントを持ち帰ることを想定した。17日(土)に行われた公式練習では、マシンバランスこそ悪くないもののタイヤのグリップ感が薄くタイムが伸び悩んだ。だが、午後の予選ではコンディションの変化やマシンのアジャストも奏功し、吉本大樹選手が担当した予選Q1を6番手で突破すると、予選Q2では河野駿佑選手が3番手タイムを出し、今季のベストリザルトを獲得。正式結果では上位にマシンにペナルティが科されたため2番手となった。フロントロウからのスタートはSyntium LMcorsa GR Supra GTとしては初で、チームやドライバーの懸命な努力が報われることとなった。
迎えた決勝レース日の18日(日)は、早朝から好天となりスポーツランドSUGOには陽が差し込む。午前中にはサポートレースやピットビューイングなどが行われ、スーパーGTの開催を待ち望んだ1万7000人の観客が訪れた。昼過ぎまでは晴れ間が見えていた空模様だったが、13時過ぎからのスタート進行のころになると黒く低い雲がサーキットに立ち込めてきた。ただ、スタートまで路面を濡らすことなくドライコンディションで決勝レースを迎えた。
フロントロウに並んだSyntium LMcorsa GR Supra GTには吉本選手が乗り込み、決勝レースは2周のパレードランとフォーメーションラップを経てスタートした。オープニングラップの3コーナーでは速くもGT300クラスのマシンが接触によりコースオフ。このアクシデントによりセーフティカーが導入される。ただ、コースサイドに止ったマシンはすぐに移動され、3周目にレースは再開する。2番手をキープしていた吉本選手だが、後方からは加速性能に勝るランボルギーニGT3が襲いかかる。要所を押さえていたものの5周目のシケインで1台にパスされると、続くハイポイントコーナーでもう一台のランボルギーニGT3に抜かれてしまう。後続からは立て続けにGT3勢が迫ってくるが4番手は死守。
不安定な空模様のままオープニングラップから10周目までレースは展開するが、11周目になると大粒の雨が降り出してくる。吉本選手は濡れた路面のなかでもポジションを守るが、チームは雨量が増えると判断して14周目にピットに戻る指示を出した。4番手でピットレーンに進んだSyntium LMcorsa GR Supra GTは、レインタイヤへの交換と給油を済ませてコースへ復帰する。路面はウエットコンディションとなるが、スリックタイヤのままで走り続けるマシンとレインタイヤを履いたマシンが混在。イレギュラーなピット作業によって17番手まで後退したが、雨量が強くなれば追い上げられる戦略だった。
だが、Syntium LMcorsa GR Supra GTは想定したペースで周回することができないことに加え、雨足が弱くなってしまう。吉本選手は我慢の走りをしいられ、20周目には18番手、25周目には19番手と徐々にポジションを下げてしまう。ペースが上げられないが、チームは戦略的にこのタイミングで吉本選手をピットに呼び戻すことができなかった。結果として30周目に吉本選手にピットインを伝え、河野選手にドライバーを交替するとともに、タイムの伸びなかったレインタイヤとは異なるモデルを装着。31周目に23番手でレースに復帰すると河野選手はライバル勢よりも速いペースで周回する。
河野選手にドライバーチェンジしてからも断続的に雨は降っていたが、40周目を超えると路面が徐々に乾きはじめレインタイヤでの周回が厳しくなってくる。18番手までポジションを挽回していたが、チームは46周目に再びピットインの指示を出しスリックタイヤに交換。このピットストップにより21番手に後退し、再び先行するマシンを追ったがレース序盤から中盤で築かれたギャップを取り戻すのは困難だった。50周目には18番手、60周目には16番手までポジションを回復させたものの終盤にはラップタイムが鈍ってしまい77周目に15位でチェッカーを受けた。
フロントロウからのスタートで表彰台でのフィニッシュも十分に可能だったが、レース序盤から中盤にかけての降雨により翻弄される結果となった。
■コメント
飯田章監督
「フロントロウから15位と結果は、非常に残念ですし悔しいです。決勝レース中の降雨は想定内だったのですが雨に向けた戦略がまったくはまらず、予想とは異なる展開となってしまいました。最初のピットインで交換したタイヤも実績のあるタイプで、心配ないと思っていたのですがコンディションとは合いませんでした。2番手スタートだったため戦略もセオリーどおりとなってしまい、結果としては裏目に出てしまったと思います。この悔しさを糧にして残り2戦では好成績を収めたいです」
吉本大樹選手
「スタートから数周は後ろのGT3勢が速いと思っていたのですが、やはり勢いがあり2台にパスされました。その後は順位を守れたので、ドライコンディションならうまく河野選手にバトンが繋げたはずです。しかし雨が降り始めて、タイヤを交換するタイミングは悪くなかったのですが、履いたタイヤが機能しませんでした。この後の戦略も裏目にでてしまったので、しっかり検証し見直す必要があると思います。とにかく今回は大量ポイントを狙っていたので、とても悔しい結果となりました。次戦のオートポリスもチャンスがあると思うので、結果を残したいです」
河野駿佑選手
「後半のスティントを担当しましたが、乗り換えたときにはすでに後方にポジションを下げていて抜き返すのも難しい状況でした。フロントロウからのスタートで、ウエットコンディションにならなければ自信はあったのでとにかく悔しいです。ピット戦略やスリック、レインタイヤの選択など、すべてが裏目になったレース展開でした。ここ最近のレースはピット戦略で助けられることがありましたが、今回はまったくうまくいかないレースでした。残り2戦となってしまったので、しっかりと結果を求めたいです」