投稿日: 2022.10.31 09:33
更新日: 2022.10.31 09:35

P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 レースレポート


スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 レースレポート

SUPER FORMULA 2022
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第10戦 鈴鹿サーキット 2022年10月30日(日)予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
予選:5番手 決勝:12位

#39 阪口晴南
予選:16番手 決勝:14位

 2台ともにポイント獲得を果たしたものの、内容としては手ごたえと反省点が入り交じるものとなった第9戦から一夜明け、2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権最終大会となる『第21回JAF鈴鹿グランプリ』は今季最後のレースとなる第10戦の予選・決勝日を迎えた。

 坪井翔、阪口晴南のふたりとも、今季を良い形で終えるべく第9戦で得られた知見をもとにさらなる修正を加え、10月30日(日)の第10戦の予選・決勝に臨んだ。快晴の鈴鹿サーキットには朝から多くのファンが訪れるなか、午前9時05分から公式予選がスタートした。

公式予選

10月30日(日) 9:05〜9:47 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’36.669(Q2)/#39 阪口晴南 1’37.480(Q1)

 専有走行が行われた10月28日(金)から鈴鹿サーキットは青空が広がっていたが、迎えた第10戦の予選/決勝日となる10月30日(日)も鈴鹿は快晴。ただ、午前9時05分からの公式予選開始時の気温は17度、路面温度は20度と前日の第9戦と比べるとわずかに路面温度が低く、前日吹いていた追い風が収まっていた。

 まずA組に臨んだのは阪口。まずは一度ピットアウトしウォームアップを行っていくが、直後を走っていた#53 佐藤蓮がヘアピンでスピン。ヒヤリとしたが、阪口には影響なく、前日同様一度ピットに戻り再度コースインしていった。

 阪口はアタックを展開すると、4周目に1分37秒480というタイムを記録するが、僅差の予選でわずかにQ2進出には届かない8番手という結果に。「いろいろなトライをしてきましたが、前日とほぼ同じ順位になってしまいました。やはりQ2進出まで足りなかったです」と第10戦は16番手から決勝レースを戦うことになった。

 続いて午前9時20分からスタートしたQ1のB組には、坪井が出走した。一度ピットに戻った後、阪口同様に残り5分というタイミングでコースインすると、1分36秒695までタイムアップ。B組の3番手で第9戦に続きQ2進出を果たすことになった。

 10分間のインターバルを経て迎えたQ2。残り5分までステイした後、坪井はコースインしアタックへ。ここで1分36秒559を記録し5番手という結果となった。

「今日はほぼ無風でしたが、追い風があった方が僕たちには合っていました。そのあたりのコンディションの読みも甘くて、アジャストしきれなかったですね。風がないことで状況が変わったときにバランスも合わせ切れませんでした」と坪井は予選を振り返った。

2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

決勝レース

10月30日(日) 14:30〜 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’41.088(5L)/#39 阪口晴南 1’41.478(18L)

 いよいよ午後2時30分、今季最後のレースとなる第10戦の決勝レースを迎えた。気温21度/路面温度31度と前日よりもわずかに暖かいが、ストレート上に長い影が差すなか、いよいよレースの火ぶたが切って落とされた。

 5番手スタートの坪井は、やや発進が鈍ったが、ポジションを守り1コーナーへ入っていく。一方16番手スタートの阪口はやや遅れてしまう。直後、1コーナーで#12 福住仁嶺がクラッシュを喫し、いきなりレースはセーフティカーランとなってしまった。

 レースは3周目にリスタートを迎えることになるが、この時点で3番手につけていた#15 笹原右京が日立Astemoシケインの立ち上がりでスローダウン。これをかわし、坪井は4番手に浮上しレースに戻っていった。決勝に向けて大きなトライを行い、来季に繋げる戦いを挑んでいた阪口は18番手でレースを進めるが、ペースは「決勝では合っていない印象」というもの。そんななかオーバーテイクシステムを駆使しながら#14 大嶋和也との戦いを展開していった。

2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

 10周を過ぎると、ピットインが可能なタイミングとなるが、11周を終え坪井がピットイン。第9戦ではコミュニケーションで難があり、ピットでタイムロスを喫してしまったが、この第10戦ではしっかりと作業を行いコースに復帰。ピットイン前に後方を走っており、1周前にピットインを行っていた#15 笹原の猛攻を抑えていく。しかし、シケインでは再度#15 笹原が坪井に並びかけ、2台はわずかに接触してしまう。#15 笹原はフロントウイングを破損し、坪井は右サイドのフロアを破損。足回りにもダメージがあったようで、真っ直ぐ走ることも困難な状況になってしまった。

 一方中団グループでも激しいバトルが展開されていたこの第10戦だが、12周目には後方で争っていた#36 ジュリアーノ・アレジと#50 松下信治が接触。#50 松下がクラッシュを喫し、ふたたびレースはセーフティカーランとなる。このタイミングを見逃さず阪口はピットインすると、ポジションを14番手に上げることに成功した。

 第9戦同様、2台がポイントを狙えるか……という展開となったこのレースだが、18周目のリスタート後、ダメージの影響が響き坪井のペースが極端に下がってしまう。19周目に#20 平川亮、#65 大湯都史樹に先行を許し7番手にポジションを下げると、ここから毎周のように1〜2台に抜かれ続けてしまう。坪井はダメージを受けながらもなんとかポイント圏内は守ろうと25周目あたりから#19 関口雄飛と丁々発止のバトルを展開し、#19 関口がオーバーテイクシステムを使い切っていたことから、坪井は何度も抜き返すことになるが、26周目にはさらに背後につけていた#7 小林可夢偉にもまとめてパスを許し、さらに抑え続けていた#19 関口にもついに先行を許してしまった。

 最終的に坪井はレースを走り切ったものの12位という結果に。阪口は#14 大嶋とのバトルを展開しながら、14位でフィニッシュ。P.MU CERUMO・INGINGは、最終戦を思わぬ苦戦で終えることになってしまった。

 2022年、P.MU CERUMO・INGINGはチャンピオン争いを目指しシーズンに臨んだものの、苦しい一年を送ることになってしまった。しかし2023年シーズンの捲土重来を目指し、オフのテストから新たなシーズンに挑んでいく。

ドライバー/監督コメント
#38 坪井翔

「5番手からの決勝でしたが、スタートはいまひとつでした。ただその中で順位をキープできたのは幸いでしたね。序盤はペースとしては良かったのですが、突然グリップが落ちてしまって。11周目にピットインし、笹原選手を抑えることができたのは良かったのですが、シケインで接触して右サイドのフロアを壊してしまって、真っ直ぐ走るのも大変な状況になってしまいました。最後まで諦めずには走りましたが、ポイントが獲れず残念でした。今回ペースは改善しきれませんでしたが、鈴鹿で予選が良かったことはポジティブです。今回のことがヒントになりましたし、来年に向け良いデータが獲れたと思います。来年こそチャンピオン争いができるようにしたいです」

2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

#39 阪口晴南

「後方からのスタートでしたし、最終戦ということで今までと違う、手をつけられなかったところをトライして臨んだレースでした。感触の違いはプラスですが、決勝レースについては合っていない印象がありました。1周目のような混戦のなかでペースが上げられませんでしたし、反省点は多かったです。スタートも路面温度などが読み切れていませんでした。今シーズンは本当に苦戦を強いられてしまいましたね。予選でもなかなか上位に入れませんでしたし、そこが大きなポイントだと思います。坪井選手と比べても予選での差はありました。来年はクルマが変わる可能性もありますが、そこでライバルよりも一歩出し抜けるくらいにしたいですね」

2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

立川祐路監督

「坪井選手については予選から決勝レース序盤については昨日のような速さがみせられましたが、ピットアウトした後にシケインで接触があり、クルマにダメージを負ってしまったようでペースが上げられなくなってしまいました。その影響でズルズルとポジションを下げてしまったので残念でしたね。阪口選手についてもスタートで順位を下げてしまい、セーフティカーのタイミングで順位を上げられたものの、ペースとしてはいまひとつのところがあり、2台ともに苦しいレースとなってしまいました。この悔しさを来年しっかり活かせるように、オフの間しっかり準備したいと思っています。一年間P.MU CERUMO・INGINGにご声援いただき、ありがとうございました」

2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第10戦鈴鹿 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)


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