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投稿日: 2024.07.24 14:10
更新日: 2024.07.24 15:01

ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート


MotoGP | ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート

2024 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.3 鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝
日程:2024.07.21
サーキット :鈴鹿サーキット (三重県)
ライダー:渥美心/アルベルト・アルナス/ダン・リンフット
予選:5位
本戦 :3位

ヨシムラSERT Motul 最終スティントで見事3位表彰台を掴み取る

 世界耐久選手権の長い歴史の中でも象徴的なイベントである鈴鹿8耐は、常に重要な役割を果たしており、今大会も注目度の高いレースとなった。

 ヨシムラSERT Motulはシリーズ戦とは異なるライダーラインナップで鈴鹿8耐に挑むこととなったが、チームは難しい状況を乗り越え、重要な日本ラウンドで3位表彰台を獲得した。

 日本の夏特有の高温多湿で強い日差しが照りつける中、第45回鈴鹿8時間耐久ロードレースのグリッドから46チームがゴールを目指した。

ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
Yoshimura SERT Motul(渥美心/アルベルト・アレナス/ダン・リンフット)/2024鈴鹿8耐

 5番手発進のヨシムラSERT Motulは毎戦ロケットスタートを決めるグレッグ・ブラック選手が不在のため、鈴鹿サーキットをよく知る渥美心選手にスタートを託した。ルマン式スタートのフラッグが振り下ろされると、渥美選手は好スタートを切り上位陣との接戦を繰り広げながら5位をキープした。

 レース序盤、チームは渥美選手とリンフット選手の2名を交代で走らせ、スペイン人ライダー、アルベルト・アレナス選手はリザーブにしていた。レース半分の4時間が経過した時点で#12 スズキGSX-R1000Rは3番手につけていたが、4位走行のDucati Team KAGAYAMAとの差は僅かで、ピットインタイミングで順位が入れ替わる状況だった。

 通常3人のライダーで走る鈴鹿8耐をヨシムラSERT Motulは2名で回していたためライダーの体力消耗も激しく、ここでチームメイトをサポートするためにチームはアレナス選手の投入を決める。その思いに応えるかの様にアレナス選手はハイペースで周回を重ね、後続に差を詰められることも順位を落とすこともなく無事に1スティントを走り切り、マシンを渥美選手に戻した。

ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
渥美心(Yoshimura SERT Motul)/2024鈴鹿8耐

 6時間が経過する頃、チームは給油中の小さなミスをレースディレクションに指摘され、ライドスルーペナルティーが科せられた。これにより順位は表彰台圏外の4位に落ちてしまう。

 レース終盤は、残り時間、ラップタイム、ピットインという要素が織り混ざり緊張する展開が繰り広げられたが、最終スティントの渥美選手はチームで一番多いスティント数をこなすなか、力強い走りで3位を奪い返し、更には連続でチームのレースベストタイムを刻む快走で後続を引き離していく。

 そして7時半となり、トップチームのゴールライン通過に合わせてチェッカーフラッグが振られ、ヨシムラSERT Motulは見事3位を獲得した。

 決勝での3位と予選5位の結果により、ヨシムラSERT Motul第3戦鈴鹿8時間耐久レースで22ポイントを獲得。ランキング首位の座は失ったもののライバルとの差は僅か6ポイントで最終戦に挑む。

 チャンピオンシップタイトルは9月14-15日にフランス、ポールリカールサーキットで開催されるFIM世界耐久選手権第4戦ボルドール24時間で争われることとなる。

ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
3位表彰台を獲得したYoshimura SERT Motul(渥美心/アルベルト・アレナス/ダン・リンフット)/2024鈴鹿8耐

■加藤陽平(チームディレクター)
「鈴鹿8耐での3位フィニッシュという結果にとても満足しています。チームとしての喜びはもちろんありますが、鈴鹿での表彰台は第1回大会から参戦をしているヨシムラにとって特別なもので、特に今年はヨシムラブランドが生まれて70年。この会社創立70周年という節目の年に、長きにわたって共に戦ってきたスズキの皆様、いつも応援してくださるスポンサーの皆様や関係各社、そして何よりもファンの皆さんと喜びを分かち合えたことは良い思い出になります。レースにおいてはとにかくライダーたちが本当に頑張ってくれました」

「一番印象的だったのは心君の最後のスティントで、彼の気迫を感じました。アルベルトは決勝前の走行時間が僅かしかなく経験がない中で見事な走りをみせてくれました。ダンは今シーズン初めから共に戦っていますが、グレッグとエティエンヌがいない中で良いリーダーとなってくれました。今年も猛暑の中のレースでライダーの身体的負担も大きかったと思いますが、この様な素晴らしい結果をもたらしてくれたことに感謝しています」

■ダミアン・ソルニエ(チームマネージャー)
「ルマンでの勝利は地元の我々にとって特別な様に、鈴鹿で好成績を収めることはヨシムラにとって、そしてスズキにとっても特別なことなので、この様な素晴らしい戦いをし、3位という結果を残し、表彰台でセレモニーを受けられたことを本当に嬉しく思っています」

「世界耐久戦のチャンピオンシップではポイントリーダーとしての座を鈴鹿で守りきれなかったのですが、トップとの差はわずか6ポイントです。今から最終戦ボルドールの決勝に照準を向けて、ヨシムラSERT Motulとスズキに再び栄冠をもたらす様に準備を進めていきます」

■渥美心(ライダーブルー)
「2023年のボルドール以来、24時間レースでのリザーブライダーを務め、また日本で開発ライダーとしてヨシムラSERT Motulで多くのことを学んできました。今回、チャンピオンシップ争いにおいて非常に重要なレースにライダーとして選ばれ嬉しく思っていましたが、大好きな鈴鹿サーキットで表彰台を獲得できて格別な思いです」

「ダンは今シーズン開幕以来のチームメイトで安定した走りや素晴らしいペースで頼りになりました。アルベルトは今回ほぼぶっつけ本番の中でいい仕事をしてくれて『ありがとう』と彼の活躍に『頑張ったね』と言いたいです。僕はここに来るまでグレッグやエティエンヌからもたくさんのことを学ばせてもらいました。最終戦にはふたりが帰ってくるので、その時は自分が彼らの力になれる様に引き続き頑張ります。鈴鹿での皆様の声援が力になりました。本当にありがとうございました!」

■アルベルト・アレナス(ライダーイエロー)
「ヨシムラSERT Motulと過ごした週末はとても素晴らしい経験になりました。鈴鹿8耐の参戦が決まってから、自分の役目はできるだけチームの力になる事と思っていました。初めてのサーキットで初めてのマシンとタイヤで走る事は新たな挑戦でしたが、チャンピオン争いをしているチームなのでミスはできないというプレッシャーもありました」

「チームのみんなは僕のことをとても暖かく迎え入れてくれたので、前向きに自信を持って走ることができました。レースでの1スティントはとにかく自分ができるベストを尽くしました。この様な歴史ある大会で表彰台に乗ることができ、この様な機会を与えてくれたヨシムラSERT Motulに感謝しています」

■ダン・リンフット(ライダーレッド)
「日暮れの最終スティントでの表彰台争いでは、ココロが集中して見事な走りをみせてくれました。アルベルトもマシンとサーキットを知るためだけのわずかな走行経験しかなかった中、僕たちが少し休める様に集中してハイペースで1スティントをこなしてくれました。僕も可能な限りベストラップを刻み、周回遅れをかわしながらチームの戦略に沿って安定した走行を心掛けました」

「昨年は他のチームからスズキGSX-R1000Rで4位を獲得し、今年は念願の表彰台獲得ができました。この結果を嬉しく、誇りに思いますし、あの素晴らしい雰囲気の中で日本のファンに祝ってもらい、レース人生での良い思い出になりました」

ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
アルベルト・アレナス(Yoshimura SERT Motul)/2024鈴鹿8耐
ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
ダン・リンフット(Yoshimura SERT Motul)/2024鈴鹿8耐
ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
渥美心(Yoshimura SERT Motul)/2024鈴鹿8耐
ヨシムラSERT Motul 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
3位表彰台を獲得したYoshimura SERT Motul(渥美心/アルベルト・アレナス/ダン・リンフット)/2024鈴鹿8耐


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