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投稿日: 2024.07.25 21:41

DUCATI Team KAGAYAMA 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート


MotoGP | DUCATI Team KAGAYAMA 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート

2024 FIM世界耐久選手権 「鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会」

日時:2024 年7月21日 決勝
場所:三重県 鈴鹿サーキット国際レーシングコース
天候:晴れ
観客数:金曜:7,000
土曜:19,000人
日曜:30,000人
監督:加賀山就臣
ゼッケン:2
ライダー:水野涼 /ジョシュ・ウォータース /ハフィス・シャリーン
リザルト:予選:2位
決勝:4位(決勝ベストラップを記録)

パニガーレV4Rファクトリー
初参戦の鈴鹿8耐で4位入賞!

第45回鈴鹿8時間耐久ロードレースは7月21日三重県鈴鹿サーキットで開催され、パニガーレV4Rファクトリーマシンで初参戦のDUCATI team KAGAYAMAは昨年の優勝ラップ数を超える219ラップを周回、見事8時間を完走し4位入賞を遂げました。

「黒船襲来」の大本命である鈴鹿8耐、DUCATI team KAGAYAMAは全日本選手権第3戦を終え、耐久モードにシフト。パニガーレV4Rファクトリーマシンに改良を加え耐久仕様に仕上げ、テストから好調なタイムを記録。そしていよいよ初の鈴鹿8耐。

レースウィークの金曜日はライダーそれぞれの計時予選が行われ、1stライダーの水野涼が2,05.615 ,2ndライダーのジョシュ・ウォータースが2,07.479、3rdライダーのハフィス・シャリーンが2,05.936。上位2名のタイムにより総合2番手を記録。上位10チームだけで行われる翌日のトップ10トライアルに進出する。トップ10トライアルはメインのマシンではなくTカーでのタイム計測となったがチャンピオンのYAMAHAに迫るコンマ1秒差で2,05.248と2番手タイムを計測し、決勝の2番グリッドを獲得。

DUCATI Team KAGAYAMA 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
2024鈴鹿8耐:DUCATI Team KAGAYAMA

梅雨明けの鈴鹿は猛暑となり、決勝日は朝から強い日差しが照りつけ気温は36度をまわり、灼熱の11時30分に8時間の決勝が始まる。スタートライダーは水野。ルマン式スタートでマシンに駆け寄るが始動に時間がかかり少し出遅れてしまう。直後は10番手付近までポジションを落とすも、オープニングラップは7番手で戻って来る。前をかわし4ラップ目には大会ベストラップ(2,07.282)を記録して追い上げ、5ラップ目のバックストレートエンドでHRCを、続くシケインでチャンピオンYAMAHAをパスしてトップに立つ。スプリントレースさながらのトップ争いを繰り広げ、ペースを落とすことなく25ラップを周回し2番手でピットイン。

給油、タイヤ交換が行われ、ライダーはハフィスにチェンジするが、(セルの始動に問題があり)この回のピットストップで大きくタイムロスしポジションダウン。ハフィスは4番手まで順位をあげて2分8秒台~9秒で走行、ラップ遅れを次々とかわして51ラップ目でピットイン、再び水野のスティントとなる。水野は前の73番をパスしてポジションを1つあげ27ラップを消化してジョシュにつなぐ。ピット作業は安定してスムーズに行われる。

午後の日差しは弱まることなく暑い時間帯が延々と続くなか、ジョシュからハフィスにチェンジ。順位は変わらず3番手をキープ。水野は3回目のスティントで疲労がピークをむかえるが、2分8秒台~9秒前半でキープ、27ラップを周回してジョシュへと交代する。ラストの2スティントはハフィスにロングランを託し、20ラップで一旦ピットインさせ給油のみを行い、タイヤ交換はせず、ハフィスを最後のスティントへと送り出した。このとき既に脱水を起こしていたハフィスは懸命に連続走行を重ねるがペースは上がらず、背後に迫っていたヨシムラに先行を許し4位へと後退してしまう。

時刻は7時30分。惜しくも表彰台を逃す結果となったが、DUCATI team KAGAYAMAは短期間のうちにドゥカティパニガーレV4Rファクトリーを耐久マシンに仕立て上げ、初の耐久レースで大きなトラブルなく、決勝ベストラップを叩き出し、昨年の優勝ラップの216を超える219ラップでチェッカーを受け、ドゥカティ最高位の4位入賞の記録を達成。

DUCATI Team KAGAYAMA 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
2024鈴鹿8耐:DUCATI Team KAGAYAMA

加賀山就臣 監督
全日本仕様のパニガーレV4Rを耐久仕様にし、たくさんの耐久用パーツを組み込み、たくさんの時間をかけてピット作業をスムーズに行うパーツなどテストしてきましたが、レースウィークは少しづつ問題が起きてしまいました。そのリスク回避のためにピット作業に時間をかける方向となり、終わってみれば表彰台争いをしていたので、ライダーがせっかく稼いだアドバンテージを失うことになり、もっとチーム側で調整できていればと思うと凄く悔しい気持ちです。

だが、コース上でのタイム、ドゥカティのパフォーマンスはしっかりアピール出来たと思います。決勝ではライダー達は、水野も身体が動かなくなるまで頑張ってくれたし、最後ハフィスに1.5スティントをしてくれ、限界まで走り続けてくれてとても感謝しています。自分としては、去年までヨシムラの看板を背負って走っていた人間として、ヨシムラを相手に3位争いをしたラスト1時間はなにかの因果関係を感じました。

そして、4位になれたこと、走りきれたことには胸を張りたいし、来年に向けてイタリアから視察に来てくれたパオロ・チャバッティ、応援、協力してくれた多くの皆様に感謝をします。ありがとうございました。そして来年の鈴鹿8耐に向けて新たな気持ちでスタートします!引き続き、熱い応援よろしくお願いいたします。

水野涼選手
スタートでエンジンかからず追い上げでしたが、ペースには余裕があり、ある程度魅せるレースも必要だと思ったので出られるときに出ようと思っていました。2回目の走行で全身攣ってペースを落としてしまったのですがインターバルの3~40分で身体をリカバリーさせられなかったことが今回の唯一の反省点です。4位は全く納得してないし完走して良かったとか今は思えないですが、今チームでできる100%の結果です。

第1目標は完走だったので、それを達成出来たこと、バイクを壊さず、なにもトラブルがなく走りきれたこと、ドゥカティとしての8耐のデータを取れたことが今年の8耐の一番の収穫だと思います。 そして、この期間でこのバイクにしっかり乗り込んだことで全日本の後半戦に向けての発見が沢山ありました。まだ全日本のチャンピオンの可能性があるので、ドゥカティでの初優勝を目指します。

ジョシュ・ウォータース選手
表彰台を逃してしまったことは残念でしたが、全体的に見ればチームにとっても自分自身にとっても素晴らしい週末だったと思っています。加賀山監督とは長い付き合いで、自分が初めて8耐参戦をした時のチームメイトということもあり、今回の参戦は自分にとっても楽しみでなりませんでした。前回とは立場が変わり、今回は監督とライダーという関係で一緒に仕事をしたわけですが、思っていた通り彼との仕事は本当にエキサイティングなものでしたし、まるで家族のもとに里帰りしたような気分でリラックスして仕事ができました。スプリント車のドゥカティパニガーレーV4Rを限られた短い時間の中で耐久仕様に変更し、データがない中上位完走できたことは素晴らしい実績になったと思いますし、それを実現させたチームには感謝しかありません。素晴らしいチーム、強いチームメイトと過ごした時間は自分にとってとても有意義な時間でした。この素晴らしいプロジェクトを立ち上げた加賀山監督、チームカガヤマの全スタッフ、そしてプロジェクトを支えてくれた全ての人に感謝の気持ちを伝えたいです。

ハフィス・シャリーン選手
まず最初に、最後のスティントで自分の力不足により表彰台を逃してしまったことをチームや関係者皆に謝罪したいです。体力に全く危惧はなかったのですが、ヨシムラSERTとのバトルの最後の数周、疲労と脱水症状で思い通りに体を動かす事ができず、タイムを維持することができなくなってしまいました。しかしチームも自分も一瞬の気を抜く事もなく全てを出し切っての結果なので後悔はないですし、この新しいプロジェクトを立ち上げ、8耐までの短い準備期間の中で上位のフォクトリーチームと対等に戦い、ドゥカティパニガーレV4Rでの初参戦を4位で完走できたことは素晴らしいことだと思っています。ここまでの準備を整えてくれたチームを心より誇りに思います。チームカガヤマの仲間とはすでに以前一緒に戦った経験があるので信頼は大きかったですし、それに加えてモチベーションの高いふたりのチームメイトと刺激し合いながら過ごした1週間は宝物のような時間でした。自分のことを信頼し、この素晴らしいファミリーに再び迎え入れてくれた加賀山監督には本当に感謝しています。これはまだ始まりにすぎないと思っていますし、チームカガヤマの引き出しはまだまだあるはずなので、来年ぜひまたリベンジに戻って来たいです。加賀山監督、チームメイトのふたり、チームスタッフ、ドゥカティコルセ、そして暑い中最後まで応援してくれたファンの皆さん、温かいサポートをありがとうございました。


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