Team Étoile 2024EWC第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レポート
2024EWC第3戦鈴鹿8耐 決勝 7月21日 レポート
決勝はSSTクラス2位! EWC参戦3戦目、ホームレースの日本で歓喜の表彰台
2024年シーズンのFIM世界耐久選手権(EWC)第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝日。ホームレースとなるTeam Étoile / チーム・エトワールは、決勝レースで総合18位、SSTクラスでは2位を獲得した。
午前にはウォームアップ走行、そしてピットウォークを挟み、ロベルト・ロルフォ、大久保光、亀井雄大の準備も完了して決勝前には19番手グリッドに並んだ。そしてついに11時30分から8時間のレースが始まった。スタートライダーの大久保がSSTクラス上位につけて良いペースを維持した。
テストから気温と路面温度が上がると転倒が増えることも理解していたため、 チーム・エトワールはSSTクラスのライバル勢に追いつく作戦ではなく、良いアベレージタイムを刻むことを意識して走っていった。
大久保、ロルフォ、亀井のルーティンを3度繰り返し、8回のピットストップでレースを進めていく。1スティント目はSSTクラス1番手で終えたが、ライバル勢も速く、多くの周回を3番手、そして後半は2番手を走ったが、実質3番手で、トラブルなく順調にレースを進めていった。
ところが、終盤に2位を狙う作戦に切り替えて、8回目のピットストップを少し早めて最後のスティントの亀井にプッシュさせた。すると、レース終了間際の7時間58分頃、最終ラップのホームストレートでライバルを追い抜き、2番手に浮上。
最終ラップはその順位を維持してEWCにエントリーして3戦目、そして日本のファンの前で鈴鹿8耐のSSTクラス2位を獲得。表彰台にも上がることができた。ランキングでは4位となり、最終戦の結果次第ではチャンピオンを目指すことが可能だ。
Team Étoile / チーム・エトワールは年間登録チームのため、2024年シーズン4戦目となる9月14~15日の最終戦ボルドール24時間耐久ロードレースのため引き続き準備をしていく。
鈴鹿8耐を画面を通して、そして現地で応援してくださったレース好きやファンの方々は、是非最終戦の応援もよろしくお願いいたします。現地で声をかけてくださった応援が力になりました。ありがとうございました。
ライダー 亀井雄大
「路面温度がすごく高くて序盤から転倒者が続出する厳しいコンディションのなかで、SSTクラスのライバルチームが常に近くてプッシュしないといけない状況でしたが、集中力を切らさずに最後まで走れました。コンディションの影響で昼間は我慢して、絶対に転ばないけどなるべくタイムを落とさないように走っていました」
「最後のスティントは2番手のチームと接戦で相手が約20秒前にいました。絶対に追いつけると思いましたが、最終ラップのギリギリの勝負にしたくなかったので、明るい時間にプッシュしました。そのおかげで最終ラップに入る周のホームストレートで2番手に上げることができ、最後の周もフルプッシュしました」
「ギリギリ2位で無事にチェッカーを受けてることができてホッとしました。表彰台はすごく嬉しいです。少しでも油断していたら2位に届かなかったのでライダーもメカニックもスタッフも一丸となった結果です。開幕戦ル・マンで転んでしまったので、チームに表彰台をプレゼントできて良かったです」
「首位とポイント差はありますが、SSTクラスのチャンピオンの可能性はゼロではありません。最終戦ボルドールでは渡辺一樹選手も戻ってくるので、集中して優勝を狙って、最後にみんなで笑顔で終われたらいいなと思います。引き続き頑張ります」
ライダー 大久保光
「スタートを成功させてSSTクラストップで何周か走りましたが、このペースではもたないと思ったので、1時間のなかでアベレージタイムを良くしようと思いました。すると、ペースを上げたチームが転倒していました。SSTクラストップで1スティント目を終えることができ、冷静な判断ができました」
「今回SSTクラスで優勝したチームに比べてアベレージが0.5秒くらい遅かったのは反省点ですが、チャンスのあるところで走れたのは大事ですし、何よりも転倒なくしっかりバトンを繋げていけたのは、チームとしてはすごい良かったです。最後は亀井選手が頑張ってくれました。僕たちはシリーズ戦を戦っているので、3位と2位では次戦のボルドールで響いてきます。チャンピオンのチャンスがある状態で最終戦を迎えられるので、現状で最高の成績を出せたのはとても良かったです」
「チームのモチベーションやライダーの気合の入り方も変わるので、ワールドチャンピオン争いに最終戦まで残れたのはすごく大事です。ボルドールも良いポジションを狙っていけるレースをできれば、チャンスはあると思います。5歳の時に鈴鹿8耐を見てレーサーになりたいと思ったので、表彰台に立てて良かったです」
ライダー ロベルト・ロルフォ
「目標は鈴鹿8耐に出場することだったから、チームとの仕事は信じられないほどうまくいったし、鈴鹿で表彰台に上がれたのもとてもうれしかった。とても速く走ってくれたチームメイトのおかげだけど、みんなでとても良い仕事をしたと思う」
「バイクのフィーリングは良く、すべてのスティントがよかった。最後のスティントの日が沈むタイミングではもっとプッシュしたかったけど、速く走り続けるのは少し難しかった。気温もとても暑く、多くのライダーがクラッシュしていたからね」
「表彰台からの景色は、たくさんの人がいてペンライトの光があふれていたのが素晴らしかった。また、月が昇ってきて、海に浮かぶ月がとてもすばらしかったよ。雰囲気は最高だったね。とてもうれしい体験だった」
「日本を楽しめたよ。MotoGPでずっと知っていたけど、いい場所だよね。素晴らしい経験だった。また来たいよ」
チーム代表 市川貴志
「決勝では初めてのノントラブルでの完走、そして2位表彰台を獲得できて非常に嬉しいです。第1スティントを振り返ると、暑い気温の中、無理をすると転倒のリスクが高いこともあり、前のライダーを追いかけ過ぎないことを心掛けてスタートしました。速いスピードで走っていたライダーが転んでしまうこともあり、第1スティントを終えた時にはSSTクラス1番手でライダー交代をできました」
「そこからは淡々と無理なく走っていましたが、最後のスティントで何もしないと3位になってしまう状況でした。気温も少し下がってきたので、亀井選手に2位を意識した走り方をしてもらいました。7時間58分くらいに2番手となるかなり劇的な展開でピットの中も盛り上がり、3位ではなく、2位表彰台が獲得できて非常に良いレースとなりました」
「3戦目で、日本の鈴鹿8耐で、初めての表彰台に上れたことは、本当に有難く嬉しいことです。ここでポイントも獲れたので、シリーズ戦を意識して、第4戦ボルドールにおいては、完走や良いポイントであるというのは当然に、より上位のシリーズポイントを獲って終われるようなプランにしたいです」
「今年の鈴鹿8耐はSSTクラスが公式開催された初年度であり特別な意味を持ちます。その第一回でEWCクラスと同じ表彰台に上がって同じ光景を見渡すことができ、シャンパンファイトをすることができて、もうこんなに嬉しいことはないと思う第3戦でした。今回は日本ということもあり、ピットウォークのときにお越しいただいた観客の方にたくさん声をかけて頂くなど、自分が想像していた以上に私達のチームを認識して頂いていて、非常に有難かったです」