それにしても今年は、昨年以上にレース展開が読みにくくなっている。これはフレームとタイヤのマッチングがよりシビアになっていることの表れだ。サーキット路面とタイヤ、そしてフレームがどう組み合わさった時にうまく行くのか、逆にどういう時に外れるのか、レースが終わってみなければ分からない。当たるも八卦、当たらぬも八卦、言ってみればバクチのようなシーズンになっている。ライダーとしてはたまったものではないが、観る側としてはこんなに面白いシーズンもない(笑)。
ミシュランはタイヤ構造をつねにアップデートしており、ケース剛性も変化させているようだ。今シーズン始めにはやや柔らかめのケース剛性になったが、ライダーからの不満もあり、今は硬めになっている。
そういう微妙なアップデートが、フレームによって良く作用したり、悪く作用したりしている。それがまた恐ろしくシビアで、ちょっとしたことでライダーの成績も乱高下してしまうのだ。
そんななか、気が付けばマルケスがポイントリーダーの座に就いている。ホンダは今年、エンジンの点火順序を変えており、実はそれほどピークパワーが出ているワケじゃない。ピークパワーよりも、扱い切れるパワーを重視している。それが功を奏しているのと、マルケスがオトナになって、我慢すべき時に我慢できるようになったからだろう。

だが、そのホンダと言えども、タイヤとフレームのマッチングには苦労しており、決して盤石じゃない。ヤマハはフレームの作り込みがうまく行きつつあるが、ビニャーレスの自信が若干ヨロメキ始めており、精神的には弱っているようだ。むしろロッシの方がチャレンジャーとして勢いがあるように見える。

ドゥカティ勢も持ち前のエンジンパワーでゴリ押ししているし、ヤマハのサテライトチームであるテック3もマッチングがいいのか調子いいし、いやはや、本当にどのマシンに乗るどのライダーが上位に来るか、まったく分からない。MotoGPはしばらく夏休み。8月6日、チェコGP決勝で誰が表彰台のてっぺんに立っているのやら……。
さて、ワタクシごとですが、「MotoMapSUPPLY FutureAccess」から今年も鈴鹿8耐に参戦します!
ライダーは、全日本で実績十分の今野由寛選手、オーストラリア・スーパーバイク選手権チャンピオン経験者のジョシュ・ウォータース選手、そしてワタシの3人。
鈴鹿8耐は、耐久レースとはいえスプリントレースが8時間連続するようなもの。真夏の暑さのなか、相当にキツイ戦いになりますが、体作りも含めてチーム一丸となって全力で臨んでいます。すでに1回目の合同テストを終えていますが、正直、まだ手応えはナシ……。もう1度テストがあるので、そこでまとめられていくつもりです。
鈴鹿8耐は今年で40周年の節目。同チームで一昨年は10位、昨年は5位だったので、今年は5位以上、プライベータートップをモギ獲るつもり。ライバルチームもなかなかの速さですが、ズバリ、表彰台をめざします! ぜひ鈴鹿サーキットまで応援に来てくださいね!!
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■青木宣篤

1971年生まれ。群馬県出身。全日本ロードレース選手権を経て、1993~2004年までロードレース世界選手権に参戦し活躍。現在は豊富な経験を生かしてスズキ・MotoGPマシンの開発ライダーを務めながら、日本最大の二輪レースイベント・鈴鹿8時間耐久で上位につけるなど、レーサーとしても「現役」。