ここからは気温も上がり辛くなる時間帯、だが青木宣篤は落ち着いた走りで12秒前半のタイムをコンスタントに刻む。しかし、予定していたよりも一周はやくピットイン。24周走れる予定が燃料のエマージェンシーランプが点灯しピットイン。
マシンに、何かが起こっているのか?給油用のミルクタンクの残ガスから給油量を確認したがやはりギリギリの状態だった。ベテランの冷静なライディングでガス欠は免れたが、燃費が数パーセント悪くなっているという事実がチームを襲った。残り時間はまだ5時間を残していた。

14時11分、L69で再びJosh Watersへとマシンが渡ると最もキツイ時間帯にもかかわらず2分9秒台を連発。トップの#21に遜色のないペースで鈴鹿サーキットを駆け抜けるJosh Waters。その走りは間違いなく観客、チームを歓喜させライバルチーム達を脅かした。
しかし、やはりここでもルーティーンの24周を走り切る一周前、L93でピットインチームはここまで8回ピットを予定していたが、いよいよ燃料が足らないという事実の前に作戦を大幅に変更することを決める。
次の今野へはアクセルワークを見直して燃費走行を意識して走ってもらうが順位も落とせない、ここからしばらく苦しい状態が続く。
その難しい状況でもしっかりと自分の役割を果たす今野由寛、タイムが上がることはなかったがポジションキープ、燃費、そして自分のスティントを走り切りつなげるという作業へと集中する。この時点で6台同一周回のマシンで8位から13位を争うこととなる。
レースは後半戦、青木宣篤2回目の走行の際にチームは決断を迫られる。このままのルーティーンでは確実に時間が足らない。
チェッカーを受けるまで10分足らないという事実は覆らない。セーフティーカーや雨などの不確定要素を当てにして作戦は立てることが出来ない。ここで監督は9回ピットの決断をする。しかし、ギリギリまでは走行時間はルーティーンに近い状態で行いライダーは戦況を見守りながら最後の最後まで調整することとなった。
今野由寛の3回目の走行、この後はルーティーンでは青木宣篤に代わるところだが残り時間は1時間10分、悪くなった燃費のマシンでは到底1回では回す事が出来ない。ここでチームは50分と20分の2回に分けここまでチーム最速ラップで駆け抜けたJoshWatersをもう一度起用、後続から近づく#94を引き離しを託した。