ヤマハ MotoGP第11戦オーストリアGP レースレポート
M・ビニャーレス選手談(6位)
「レース中リヤタイヤのグリップ不足に悩まされ、バレンティーノとの競り合いのなかで大きくはらんでしまいました。何とか気持ちを落ち着けて、タイヤを最後まで持たせることだけを考えるようにしましたが、難しかったです」
「他メーカーのライバルたちだけではなく、ザルコにもついて行くことができませんでした。タイトル争いを続けるためには、ハードワークが必要になると思います。次のシルバーストーンは大好きなコースのひとつで、毎年楽しみにしています。コースレイアウトもとても気に入っているので、トップを狙っていきます」
V・ロッシ選手談(7位)
「10ラップ目か12ラップ目くらいから問題が出始めました。リヤタイヤに負担をかけ過ぎたせいでグリップが大幅に低下してしまい、マシンのパフォーマンスもスピードも上がらなくなってしまいました。そこからはマシン・コントロールが難しくなり、私自身もブレーキングでミスをしてしまいました」
「レース後半はこのようにグリップ不足に苦しむことになり、ハイペースをキープすることができなくなりました。ここまで懸命に仕事に取り組んできただけに残念ですが、これはどうやら、ヘレスやバルセロナで経験したことと同じ問題です」
「リヤタイヤを使い過ぎるとスピードが上がらなくなり、レース後半がもっと苦しくなってしまうのです。機械的にも、電子制御についても、より一層、努力が必要であることは間違いありません」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「難しいレースになることは予期していました。とくにタイヤに厳しい展開でした。午前中のフリープラクティスを終えた時点で、リヤにハード・コンパウンドを選択しましたが、これが期待通りに働いてくれなかったのです」
「序盤は順調で、マーベリックもバレンティーノもトップ争いに絡んでいくことができました。しかし10ラップ目くらいからリヤタイヤのグリップが低下し、このことが最終的に、ポイントにも響くことになってしまいました」
「このように難しい状況のなかでも、ライダーたちは本当によく頑張って、それぞれ6位、7位と、出来得るなかでの最高の順位を獲得してくれました。われわれチームとしては、より一層ハードワークに取り組み、次のシルバーストーンまでに問題解決を目指します。来週末にはミサノでプライベート・テストを予定しています」
J・ザルコ選手談(5位)
「最高にうれしい日曜日になりました。5位という結果に満足しています。午前中のウォームアップ・セッションがあまりうまくいかなかったので、決勝についても少し心配があったのですが、午後になって気温が上がったことが良かったようです」
「今までで最高に暖かくなったので、ソフト・コンパウンドがベスト・チョイスになりました。フィーリングがとても良く好調に走れていましたが、そのなかでも、グランプリには何が起きるかわからないという考えも最後まで残っていました」
「いずれにしても、好スタートを切って1ラップ目から攻めていくことができました。そして5ラップ目くらいからはどんどん調子が上がっていきましたが、オーバーテイクはなかなかできませんでした。ようやく5番手に上がったころにはタイヤのグリップがちょっと落ちてきたので、それに対応することに集中することになりました」
「ロレンソを抜いて4番手に上がりたかったのと同時に、後ろからビニャーレスがプレッシャーをかけてきていたので、何とか抑えきって5位を獲得したいという気持ちもありました。最終的には納得のいく順位でゴールし、ランキングでもまた5位に上がることができました」
「貴重なチャンピオンシップ・ポイントにつなげることができて自信にもなりました。トップライダーたちとのバトルはとてもエキサイティングです」
J・フォルガー選手談(リタイア)
「非常に難しいレースウイークであったことを認めなければなりません。今回、ニューシャシーを試したのですが、それがこのコースに合っているかどうか確信が持てないまま、最終的にはとうとうコース自体に対して自信がなくなっていったのです」
「それでも午前中のウォームアップ・セッションでは、ユーズド・タイヤを履いていたので順位はあまり上がらなかったものの、とてもいいフィーリングを得ることができたのです。そしてそのあとの予選でも、タイムを見る限り決して悪くありませんでした」
「そういうわけでかなり自信を取り戻して決勝に臨みましたが、マシンに問題が出てリタイアすることになってしまいました。きっといい仕事ができる、ポイントも獲得できると感じた矢先だったので残念です。起こったことを分析し、二度と同じことにならないようにしたいと思います」
H・ポンシャラル、チーム・マネジャー談
「非常に熾烈なトップ争いが展開され、Monster Yamaha Tech3がレース中盤まで、その一員として戦えたことを誇りに感じています。ヨハンの走りは本当に素晴らしく、厳しい状況のなかでふたりのヤマハ・ライダーをパスし、またラップレコードを更新しました」
「マーベリックとバレンティーノはハード・コンパウンドのタイヤを使用しました。私たちはソフト・コンパウンドを選択していたので後半は苦しくなるだろうと考えていましたが、ヨハンは見事にタイヤを温存し、ヤマハ・ファクトリーのふたりを抑え込んだのです」
「ヨハンの成績はここまで、サテライト勢トップとルーキー勢トップをキープしています。そして今日はヤマハ勢トップの5位を獲得し、貴重な11ポイントを加算してヤマハのコンストラクターズ・ポイントに貢献することができました。厳しい状況のなかでマーベリックとバレンティーノのプレッシャーに耐えたヨハンを誇りに思います」
「ジョナスに対してはとても申し訳なく思っています。前回のチェコGPが残念な結果に終わったあと、今週はそれ以上に厳しい状況になっていました。決勝では好スタートを切って順位を上げていったので、トップ8を狙っていけるのではないかと考えていました。ところが不運にもブレーキに問題が出てしまいました」
「このようなことは今までに一度も経験したことがなく原因がまだわかっていません。これからブレンボのスタッフと協力して究明していかなければなりません。今日はジョナスの誕生日なので、好成績で祝いたいと思っていましたが、このような結果になりとても残念です。彼自身は十分に調子が上がってきているので、辛かったことは早く忘れ、誕生日を楽しく過ごしてもらいたい」
「次のシルバーストーンではふたり揃って上位を競えるよう期待しています。夏休みが終わってチャンピオンシップが再開してから大変な状況が続いており、チームの全員に感謝します。次まで少しリラックスして、より一層、強くなって戻って来たいと思います」