全日本ロードレース選手権最終戦となるMFJグランプリでは、JSB1000クラスは2レースの開催。レース1は8周で超スプリントレース、レース2は20周で通常のスプリントレースとなる。周回数の異なる2レースに、それぞれどのような戦略で挑むのかがポイントのひとつだと言えるだろう。
最終戦にはボーナスポイント3が加算されるため、両レースとも制すれば最大で56ポイントを獲得することができる。チャンピオンシップの大逆転も十分に可能なのだ。計算上で考えれば、第8戦岡山終了時点のランキングで6位につける濱原颯道(ヨシムラスズキMOTUL)までにチャンスがあることになる。
レースではなにが起こるかまったくわからない。2016年シーズン最終戦のST600クラスでは、それまで16ポイント差でランキング6位につけていた榎戸育寛(モトバム・ホンダ)が大逆転勝利でタイトルを手にしたこともある。
現在ランキング4位の藤田拓哉(ヤマルーブ・レーシング・チーム)、ランキング5位の野左根航汰(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム #5)、ランキング6位の濱原も、上位陣になにかあればタイトルを手にする可能性はある。
さらに、後半戦に入って第7戦オートポリス、第8戦岡山で連勝し、調子を取り戻しつつある中須賀の存在も大きい。中須賀が本来の実力を発揮し上位争いを展開すれば、レース、そしてチャンピオンシップの行方はさらに混迷を極めるだろう。
また一方で、エントリーリストにも注目したい。最終戦には、伊藤真一、柳川明、アラン・テシェの出場が決定した。伊藤は2017年の鈴鹿8時間耐久ロードレースにチームSuPドリーム・ホンダからの参戦。チームSuPドリーム・ホンダはホンダへパーツを供給するサプライヤー16社が結集して立ち上げたチームで、今回の全日本ロードレース選手権最終戦も同チームからの出場となる。
また、2017年シーズンにカワサキ・チームグリーンのコーチ兼ライダーとして活躍する柳川、TSRホンダで2016年世界耐久選手権(EWC)ルマン24時間レースにおいて3位表彰台を獲得したアラン・テシェらにより、レースはさらなる盛り上がりを見せるだろう。
ついに2017年チャンピオンが決定する全日本ロードレース選手権最終戦。開催クラスは最高峰クラスであるJSB1000を含めた全クラスだ。J-GP2クラスを除き各クラスともチャンピオン決定を鈴鹿に持ち越しており、熱戦が繰り広げられることは間違いない。今季最後のレースは、11月4日に予選、11月5日に決勝が行われる。