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ーー前回の座談会では5人勝者が出て、後半戦でもう少し出るかと予想されましたが、そのあたりはいかがでしょうか。

A氏:結局ずっと5人でしたね。ビニャーレス、マルケス、ペドロサ、ロッシ、ドビジオーゾ。

B氏:ドビジオーゾは凄いですよ。誰も予想していなかった。

A氏:チャンピオン獲ったマルケスもドビジオーゾとタイトルを争うことになるなんて全然思ってなかったって言ってましたよ。

アンドレア・ドビジオーゾ/ドゥカティ・チーム
アンドレア・ドビジオーゾ/ドゥカティ・チーム

C氏:ドゥカティの人たちもドビジオーゾが6勝するなんて予想外だったと思うよ。シーズン前の第一ライダーはロレンソだから。ドビジオーゾは開発もできるし、サポートもできるからドゥカティにとっては絶対になくてはならない存在だけど、ロレンソはチャンピオンを獲るためにチームに入ってもらった形だったからね。

B氏:ロレンソは1年目から期待されてた。それが初っ端からダメでしたから多分チームも混乱していたし、ロレンソ自身も混乱してた思います。途中でバイクをぶん投げたくなるような感じがあったでしょ。

C氏:ロレンソがバイクを投げ捨てるようなシーンはあったね。昔、ジョン・コシンスキーがスズキのバイクで似たようなことをやってチームをクビになったことがあったよ。

A氏:あれは本当ヒヤヒヤもんでしたよ。だけど、ロレンソは後半戦でなんとかまとまってきて表彰台に登っていたから、2018年はチャンピオン争いをする可能性が高いよ。

MotoGP:テストで約100周を走り込んだロレンソ。「より自然にマシンに乗れる」

ーーロレンソの調子が良くなったのはドゥカティが後半戦から投入した空力カウルのおかげなんですかね?

C氏:後半戦からドゥカティが過激な空力カウルの第2号を出してきたね。あれやめてほしいな。かっこ悪いからさ。

A氏:僕結構気に入ってますよ。でも、あの形が許されるならウィングレットを禁止にした意味がないですよ。

C氏:あの形は全体が壊れるから大丈夫という判断だと思うんけど、それでもあんなに出っ張ってたら危ないよね。でもダウンフォースが必要なほどMotoGPマシンの加速とスピードがすごいってことなんだろうけど。

B氏:フロントが浮く問題をトラクションコントロールなどで制御すると、結局はエンジンパワーをカットするしかないから、フロント荷重を増やすために空力カウルが必要になってくるんでしょうね。

A氏:だけどクルマと違いますからね。ストレートではフロント荷重が確保されるけど、コーナリングではバイクが傾くから左右のダウンフォースが変わってきます。だからバイクの空力に関してはかなり考えないといけない。例えば150km/h以下の時はダウンフォースの効果がないようにしたりとか。市販車のスポーツカーで速度が上がるとウイングが出てくる可変機能があるんでしょう。バイクもウイングを可変にしたいと思うけどそれは出来ないんですよね。

B氏:メーカーは可変にしたいだろうな。そのくらいスピードは出てるし、加速も大きくなってる。ドゥカティではホルヘがずっと第2号の空力カウルを使ってました。逆にドビジオーゾはほとんど使ってなかった。ホルヘ・ロレンソはそういうところに不安があったのかもしれないですよ。

ーー2017年のオフシーズンテストが絶好調で開幕戦も制したヤマハでしたが、後半戦はかなり失速しました。そのあたりはどうでしょう。

B氏:ヤマハファクトリーの浮き沈みか。まだ調べきれていないし実際の所わからないんですけど、ビニャーレスが失速、バレンティーノが1勝。ひどいね。雨もダメだった。

A氏:雨もダメだし、テクニカルサーキットで速いはずなのに全然遅かったって印象がありました。

B氏:ストレートもダメだったね。だけど、ヤマハがダメだったのかと思ったら、サテライトチームのテック3は調子が良かったから、マシンは2017年型よりも2016年型のバイクが良かったのかもしれません。

A氏:ヤマハはエンジンを大きく変えてきたんだと思います。ハマる時は良かったけど、後半戦でハマらなかった。逆に後半戦はホンダが調子を整えてきてました。各メーカーずっとミシュランタイヤの不安定さにやられていたけど、実はホンダだけは結果だけ見るとそんな悪くなかったんですよ。

B氏:そうだね。悪くなかった。

C氏:海外のメディアのなかでは「ミシュランタイヤがホンダに合わせて作ったんじゃないか?」って言われてたらしいけど、そうじゃなくておそらくホンダはタイヤに合わせるのがうまいんだろうね。

A氏:マルケスが6勝挙げて、ダニ(・ペドロサ)はヘレスとバレンシアとで勝ってます。ペドロサって速いときと遅いときの差が激しいですよね。

B氏:他のインタビューで聞いたんですけど、ダニはマシン、セッティングすべてがハマったときは本当に速い。これは本人もよくわかってる。

C氏:苦戦の原因はやっぱり体だよ。これはマルケスが言ってたけど、ペドロサの体は他のライダーに比べて小さいし体重も軽いから、バイクが縦方向に挙動するピッチングモーションのときに体を後ろに入れたり前にいれたりがなかなかできないらしいんだよね。あと10cmか5cmでも身長があって、手足も長かったら速かったんじゃないかな。

■体格によって最高速が落ちる

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■ドゥカティの強さはアウディのおかげか

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