全日本ロード:Team KAGAYAMA 2018第1戦もてぎ レースレポート
≪進化の過程に見えて来た希望≫
■大会名
2018 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦 TWIN RING MOTEGI SUPERBIKE RACE
■開催日
2018年4月7日(土曜)[予選・レース1] 天候/雨 コース/ウエット、ドライ
2018年4月8日(日曜)[レース2] 天候/晴れ コース/ドライ
■開催場所 栃木県・ツインリンクもてぎ(1周=4.801379km)
■観客動員数 13,300人(土日合計)
■JSB1000ライダー 加賀山就臣
■マシン SUZUKI GSX-R1000
予選/ RACE 1 : 19番手(2分02秒625)
RACE 2 : 20番手(2分03秒309)
決勝/ RACE 1 : 21位(Best Time : 1分55秒309)
RACE 2 : 9位(Best Time : 1分51秒417)
■ST600ライダー マッティア・スカリアリーニ
■マシン SUZUKI GSX-R600
予選/ 33番手(2分08秒179)
決勝/ 24位(Best Time : 1分34秒114)
レポート
2018年の全日本ロードレース選手権が栃木県・ツインリンクもてぎで開幕しました。Team KAGAYAMAは、浦本修充がRFMEスペイン選手権Superstock 1000にフルエントリーすることになったため、チーム代表兼ライダーの加賀山就臣がJSB1000クラスに1台体制で継続参戦。そしてイタリアから19歳のマッティア・スカリアリーニがST600クラスにスポット参戦します。これは、日本とイタリアのみならず、浦本が参戦するスペインも含め2輪モータースポーツで交流を深めることを目的としています。世界から全日本に参戦してみたいという声があれば、受け入れることもできるという第一歩でもありました。
レースウイークは、開幕戦ということもあり、一日早く木曜日からスタート。しかし、真冬のような寒さとなった事前テストでは、初日に加賀山が3コーナーで転倒してしまいます。幸い骨折はなかったものの、全身を激しく打っており3日間は、動けない状態でした。何よりテスト項目をこなせなかったことが、痛みとなりました。そこから徐々に身体も回復し東京モーターサイクルショーのステージなどに出演し、レースウイークを迎えていました。
今シーズンは、セミ耐久レースがなくなり、2レース制で行われるラウンドが増えました。今回の開幕戦も土曜日に公式予選とレース1が、日曜日にレース2が行われるスケジュール。木曜、金曜とドライコンディションでマシンをセットアップして行きます。気温も平年並みと言ったところでしたが土曜は、朝から雨模様となります。気温も上がらず冷たい雨が降る中、公式予選はスタートしました。今回は、45分のセッション1本のみで、ベストタイムでレース1の、2番目のタイムでレース2のグリッドが決まるシステム。
ウエットコンディションを得意としている加賀山でしたが、実際にコースに出てみるとペースを上げられない状況でした。ピットに戻りセットをアジャストしてみるものの大きく変わらず、タイムアタックできないままセッションは終了。レース1、レース2共に下位グリッドに並ぶ結果になってしまいます。
土曜の午後に行われたレース1。雨は止んでいたものの、所々にウエットパッチが残っている状態。タイヤはもちろんスリックをチョイス。加賀山は得意のスタートでポジションを上げますが、序盤の混戦の中、思うようにペースを上げられないでいました。何とか走り方を変えながら後続を抑えていましたが、7周目のV字コーナーで他車に接触され転倒。すぐにコースに復帰し、1ポイントでも獲得できればとゴールを目指しますが21位となってしまいます。
日曜は、朝から青空が広がり、土曜よりは気温も上がったため、抱えていた問題もクリアとなっていましたが、グリッドが後方ということもあり、スタートで前に出られず後方からの追い上げを余儀なくされていました。それでもレース1よりは、上位につけ10番手を走行。レース終盤に前で転倒があったこともあり、一つポジションを上げ9位でチェッカーフラッグを受けました。
ST600クラスにスポット参戦したマッティアは、金曜には転倒、そして不安定なコンディションに苦戦しながらも決勝は、24位でゴールしました。
加賀山就臣ライダー・総監督コメント
「まずは、多くの皆さんのおかげで、新しいシーズンを迎えられることを感謝いたします。今回は、事前テストで転倒したことが苦戦の要因になってしまいました。腰の痛みが残り痛み止めを使い、誤魔化しながらのライディングになってしまっていました。レース1はアクシデントもありましたが、最後まであきらめずに走り切り21位。レース2は、得意のロケットスタートを決めるもグリッドが後ろ過ぎて、行き場がなくアクセルを戻してしまう状態でした。順位こそ満足行くものではありませんでしたが、アベレージタイムが大幅に上がったことが大きな進歩だったと思います。イタリアから参加してくれたマッティアも難しいコンディションの中、果敢に攻めてくれました。そして昭和電機さんの協力のもと、プロジェクト71が始まりました。メーカー、クラスを超え、全日本の#71が盛り上がりますので、皆さん応援よろしくお願いいたします。」
斉藤雅彦監督コメント
「レース1は、他車に巻き込まれて転倒し、再スタートして走りましたが、アクシデントがなくても上位に進出することは、現状では難しいことだと言うことがハッキリしています。気温、路面温度が低い状況でスズキ勢全体が抱えていたようなので、改善していきたい部分です。レース2は、終盤までいいペースで走れたことが明るい材料だと言えるでしょう。次戦では、予選から上位につけ、表彰台を狙えるレースにして行きたいですね」