トップに躍り出たヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームはその後、カワサキ・チームグリーンを1秒ほど引き離して周回を重ねる。3番手につけるレッドブル・ホンダwith日本郵便はなかなかトップ2台との差を詰められないまま単独走行。

 58周目、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのアレックス・ロウズのペースが上がらず、カワサキ・チームグリーンのレオン・ハスラムが首位を奪還。しかし60周目にはロウズが前に出て、さらに64周目にはハスラムがパスするという、またしてもスプリントレースのような激しいバトルが展開される。

 そんななかの66周目、CLUB NEXT&MOTO BUMが転倒。マシンから火が出て芝生に燃え広がってしまうアクシデントが発生。これでセーフティカーが導入されることになった。

 セーフティカー先導による走行は3周におよび、69周目に解除される。セーフティーカー解除直後も、カワサキ・チームグリーンとヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの接戦が再開。マシンをぶつけ合いながら、トップ争いを展開し、ハスラムがロウズを最終シケインでオーバーテイク。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームからトップを奪う。

アレックス・ロウズ(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
アレックス・ロウズ(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)

 72周目、3回目のピットインのタイミング。ここでトップを奪ったカワサキ・チームグリーンと2番手のヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームが同時にピットインを行う。

 ここで、レイに交代したカワサキ・チームグリーンが先にコースイン。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームはファン・デル・マークがバトンを受けた。3時間を経過しようというスティントではトップ争いが落ち着き、レイがファン・デル・マークに対し約5秒の差を築くことに成功する。レッドブル・ホンダwith日本郵便はこの2チームから遅れて76周でピットイン。高橋巧にライダーを交代する。

■カワサキにまさかのアクシデントが発生

 3時間経過以降もカワサキ・チームグリーンのレイが、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのファン・デル・マークをじりじりと引き離す。一方でファン・デル・マークはレッドブル・ホンダwith日本郵便の高橋巧との差を広げ、トップ3台は淡々と周回を重ねる。

 スタートから3時間45分。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームが、ルーティーンのピットワークで99周を走り切って3回目のピットイン。ロウズにライダーを交代している。ここまで、ヤマハはファン・デル・マークとロウズのふたりで走行を重ねている状況だ。

 カワサキ・チームグリーンのレイもその翌周、100周目にピットに向かう。しかし、ここでアクシデントが発生する。レイの操るカワサキZX-10RRが、通常よりも明らかに遅いスピードでピットロードに入ってきたのだ。これがタイムロスとなり、カワサキ・チームグリーンは3番手にポジションを落としてコースに復帰。これまでヤマハとスプリントレース並みのトップ争いを繰り広げていたが、一気にその差が広がることになってしまった。

 カワサキ・チームグリーンはハスラムをライダーとして5スティント目に入っており、こちらは渡辺一馬がいまだ出走していない。

 レッドブル・ホンダwith日本郵便は、カワサキ・チームグリーンから遅れること4周、104周目にピットイン。中上にライダー交代して2番手で戦線に復帰する。

 4時間を経過して、トップのヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームと同一周回で走行を続けているのは、2番手のレッドブル・ホンダwith日本郵便と3番手のカワサキ・チームグリーンのみという状況となった。

■後半戦に入り激しくなる天候の変化

 126周目でトップのヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム、3番手のカワサキ・チームグリーンがピットイン。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームはファン・デル・マーク、カワサキ・チームグリーンはレイに交代してレースに復帰した。

 しかし、レースに復帰したタイミングで、コース上に雨が落ちてくる。あっという間に強まる雨脚。しかし次の瞬間には青空が顔をのぞかせるという、判断の難しい天候と状況になるなか、デグナーカーブでMuSASHi RT HARC-PRO.Honda(ドミニク・エガーター、水野涼、ランディ・ド・プニエ組)の水野涼が転倒を喫し、セーフティカーが入った。

 参戦台数が多い鈴鹿8耐では、セーフティカーが2台入る。1台はホームストレートエンド、もう1台はヘアピンの立ち上がりからだ。特に順位争いを展開しているときには、どちらのセーフティカーの後ろに着くかというのも重要となる。このセーフティカーでカワサキ・チームグリーンは、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム、レッドブル・ホンダwith 日本郵便とは別のセーフティカーの後ろで走ることになったために、トップ2台との差が開いてしまった。

 天候はセーフティカーランの間に回復。リスタートの宣言がされたが、レース再開のまさにその周のホームストレートで、TONE RT SYNCEDGE 4413(星野知也、三原壮紫、渥美心組)の三原壮紫が転倒。前のバイクに接触すると三原のマシンは縦に宙を舞い、マシンは大破。三原自身も自力でコース外に逃れたが起き上がれず、セーフティカーランは続行となった。

■SBK王者ジョナサン・レイがまさかの転倒

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