さっそくエンジンをかけ走り出してみる。軽い車重と200馬力オーバーのエンジンスペックから凶暴なモンスターマシンを想像するが、実際に公道を走ってみるとそうではなかった。独特のエンジンから生まれるドゥカティの乗り味はそのままに、国産スーパースポーツと同様スムーズに加速していった。
コーナーでは、スーっと倒れ込んでいき安定して曲がっていく。Lツインの時は、スパッと切れ込むような感覚があったため、そこを意識しながら乗っていたが、V4では自分が思い描いたように曲がってくれた。これはエンジンの気筒数が2気筒分増えたことにより、重量配分のバランスがより高まったおかげなのかもしれない。


パニガーレV4はRACE、SPORT、STREETの3つのモードが選択可能でそれぞれの状況に合わせて走りを変えることができる。最初に走り始めた時はSTREETを選択。このモードでは、トラクションコントロールの介入レベルが高く設定されているため、強力なパワーをもつバイクでも不安なく扱うことができたのだろう。また、Sバージョン標準装備のオーリンズ製電子制御サスペンションにより、スーパースポーツを一般公道で走らせるときに感じる路面からの強い衝撃も軽減してくれることから、街乗りも難なくこなしてくれると感じた。



クラッチを握らずにシフトアップ・ダウンできるドゥカティ・クイック・シフトアップ/ダウン(DQS EVO)も優秀で、加速中のシフトアップも滑らかだ。シフトダウン時には自動で回転数を合わせてくれるため、大きな変速ショックなくギヤを下げることができた。このDQS EVOは、パニガーレV4の全モデルに標準で装備されている。


