土曜日に行われたレース1では、2番手から好スタートを切ると安定したペースで周回ごとに2番手以下に対しアドバンテージを広げ、そのまま独走優勝。「今週末、僕たちは強く戦略も何通りかあった」と語るレイは、このレースで1分42秒台から43秒前半で周回する。
「タイヤのグリップが落ちて、後半にタイムが落ちたときでも、43秒台のタイムを維持できた。今回のレースの鍵はそれだったよ」
レース1ではSBK通算65勝を挙げ、「ポルティマオでこの勝利数を達成できたことはうれしいね。ここには北アイルランドのファンがたくさんいるから」とも語った。

一方、レース2後も優勝を飾ったレイがレース後に見せたのはナーバスな表情だった。レイはレース2について、最初にこう切り出している。「難しいレースだった」
リバースグリッドにより、レース2を9番手からスタートしたレイは、オープニングラップで早くも3番手にまで浮上し、チームメイトであるサイクスの背後につける。サイクスを3周目で交わし2番手につけると、中盤はデイビスとのトップ争いを展開した。
「デイビスはブレーキングが遅く、ストレートで速かった。デイビスを抜くのに少し時間がかかってしまったよ」
この日の気温は29度、路面温度41度。前日のレース2に比べ、少し路面温度が高くなっており、それがタイヤのグリップにも影響を及ぼしていた。
「今日、僕のペースは(昨日よりも)少し遅かった。だから、タイヤを少しずつ使うようにしたんだ」

12周目の11コーナーでデイビスがややラインを外したすきにトップに浮上したレイは、ペースをコントロールしながらトップをキープし、そのままチェッカー。
「25ポイントを獲得するために、全力のレースだった。本当にうれしいよ」レース後に浮かべていた硬い表情は、レイにとって厳しいレースを物語るものだったが、同時にそんなレースを制した安堵をにじませていた。
ポルトガルでのレースはレイにとって簡単なレースではなかった。それでもダブルウインを達成し、合計50ポイントを手にすることができるのが、レイの強さたるゆえんだろう。前人未到のSBK4連覇達成に向け、レイは勝ち星を重ね続けている。