「リヤブレーキをかけた時、バイクはより安定しているようだった。でも開発を完了するまでには、まだ時間がかかる。今はまだ初期的な段階なんだ」とミラーは語った。ミラーはへレステストでトップタイムを記録した中上貴晶からたった0.262秒遅れの総合7番手でテストを終えた。
「僕たちのバイクはますます良くなっているよ。ここではたくさんのアイテムを試して、かなり進歩した」
この結果を見たダリーニャは、ファクトリーライダーのアンドレア・ドヴィツィオーゾとダニロ・ペトルッチのテストスケジュールを変更し、新パーツをテストさせた。
ドヴィツィオーゾはそれほど違いに気づかなかったが、ペトルッチは新パーツでドゥカティ勢の最速タイムを出した。つまり、それほど新パーツの効果に“懐疑的”ではないということだろう。
■リヤにも空力カウルを備えたパーツが登場
ドゥカティのダリーニャがへレステストで二番目に見せた技術的トリックは、デスモセディチGPのフロント空力カウルに合わせた、リヤの空力カウルだ。

リヤ空力カウルもコーナー進入時とブレーキングの際に、リヤの荷重を増加させるために設計されている。ライダーはコーナーに進入する時により強力なリヤグリップを得ることができ、フロントに頼らずコーナリングを行うことができる。
リヤカウルの空力は、ライダーがスロットルを開けている時にリヤダウンフォースを増加させる意図は決してない。それでは(マシンのバランスが)台無しになるだけでなく、注意深く調整されたフロントダウンフォースの価値がなくなってしまう。
バウティスタ、ドヴィツィオーゾ、ペトルッチの全員が改良された空力リヤカウルを試したが、正解となる結論は出なかった。

「2度の連続したテストをこのシートで行ったが、理解するのが難しかった。なぜならそれぞれの走行で最も重要なのはタイヤのコンディションだからだ」とドヴィツィオーゾは語った。
「最終的にそのシートは取り外した。なぜならブレーキングのときには多少良かったけれど、高速コーナーでエイペックス(コーナー内側の頂点)をキープするのに苦労したんだ」
ペトルッチはテストの間、かなりの速さを見せ、へレステストを総合5番手で終えた。ペトルッチのタイムは、トップの中上からは0.164秒差で、1日目に大きなクラッシュに見舞われたチームメイトのドヴィツィオーゾよりコンマ2秒速かった。
ファクトリーライダーへ昇格するペトルッチは、2019年に大きな変化を生み出すだろうと考えている。