ホンダのもうひとつの大きな焦点はエンジンだ。たとえ2018年シーズンのエンジンが大きな改善を遂げていてもだ。
トップスピード差は小さくても差は差である。特にレースが接戦である場合、また、オーバーテイクを仕掛けるためにエンジンパフォーマンスが不可欠な場合はなおさらだ。

「ドゥカティのエンジンパフォーマンスは今も我々より高い。だから2019年にはさらに加速力が必要になる」とHRCのディレクターを務める桑田哲宏は認めている。
2018年シーズンは、ホンダが逆回転クランクシャフトを備えたビッグバン型エンジンの構成を使用してまだ2年目のシーズンだった。だから内部や燃料、マッピングなどにおいてさらに改善が図られることに疑いはない。
そしてスペインで行われたヘレステストで2019年型RC213Vに初めて乗ったマルケスは、2019年シーズンにストレートラインでより優れたパフォーマンスを出せることを確信した。
「新型バイクの最も大きな違いはエンジンだ」とマルケスは語る。
「新たな進化だし、改善されている。でもマシンを理解し、作業をする必要がある。エンジンの性質にそって電子制御を適応させなければならないからね」