Eri Ito

 レース2は気温13度、路面温度24度のドライコンディションで行われた。レース2は9番手までのグリッドについてスーパーポール・レースの結果が反映され、ポールポジションがバウティスタ、2番手レイ、3番手ロウズがフロントロウに並んだ。また、スーパーポール・レースで転倒し、メディカルセンターへ向かったルーベン・リナルディは、レース2に出走している。

 スタートでは2番グリッドのレイがややフロントを浮かせで遅れをとるも、ポジションを守り好スタートを切ったバウティスタを追う。バウティスタが抜け出しやや遅れてレイが追走、そのレイにデイビス、ロウズ、サイクスなどが続く展開だ。

 バウティスタは2周目にして、またしても独走態勢を築く。バウティスタを追いかけたいレイだが、2周目にデイビスに交わされ3番手に後退。ただ、デイビスはレイ以下を引き離すには至らない。2番手を争うのはデイビスとレイ、そしてロウズ、7番手から浮上してきたレオン・ハスラム(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)だ。

 5周目、ロウズが1コーナーのブレーキングでレイのインに飛び込むと、3番手に浮上。とはいえ2番手のデイビスから5番手のハスラムまで非常に接近している状況だ。

レース2ではほとんどの周回で、デイビスが2番手集団を率いた
レース2ではほとんどの周回で、デイビスが2番手集団を率いた
今週末、初めて表彰台争いに加わったハスラム。一時はレイとポジション争いを展開
今週末、初めて表彰台争いに加わったハスラム。一時はレイとポジション争いを展開

 レース折り返しの10周目、レイが3番手のロウズに迫ると、ストレートの加速でロウズを交わす。レイがデイビスを追いかけるかと思われたが、そのレイをとらえたのはロウズを交わして4番手に上がってきたハスラムだった。

 ハスラムは13周目の1コーナーでレイのインにつけると、レイはそれを防ぎきれず3番手のポジションをハスラムに明け渡す。しかし残り3周、再び1コーナーの飛び込みでレイがハスラムから3番手を奪還。2番手デイビス、3番手レイ、4番手ハスラムがワンパックとなって最終ラップを迎えた。

 一方、バウティスタは快走を続け、この週末3回目となる優勝を飾った。ここまで負けなしの9連勝。ポイントは186にまで積み上がり、ランキング2番手のレイに対し39ポイント差をつけている。

 2位争いは最終ラップの1コーナー、デイビスがラインを外してワイドになったすきを見逃さず、レイが2番手にポジションを上げると、そのままフィニッシュ。3位はデイビスが入ってこのアラゴンで2度目の表彰台を獲得した。

 4位には一時、レイやデイビスをおびやかしたハスラム、5位は中盤以降、2位争いから遅れたロウズが入った。清成は14位でレースを終えている。

レース2を14位で終えた清成
レース2を14位で終えた清成

 同日に行われたスーパースポーツ世界選手権(WSS)では、終盤にランディ・クルメンナッハ(BARDAHL Evan Bros. WorldSSP Team Y)とラファエレ・デ・ロサ(MV AGUSTA Reparto Corse)がトップ争いを演じ、クルメンナッハが優勝を飾った。2位にはデ・ロサが入り、2019年シーズンで初めてヤマハライダー以外が表彰台に上った。

 3位はフェデリコ・カリカスロ(BARDAHL Evan Bros. WorldSSP Team Y)、そして大久保光(Kawasaki Puccetti Racing)は9番グリッドからスタートし、8位でフィニッシュしている。

 アラゴンで2019年シーズン最初のレースを迎えたスーパースポーツ世界選手権300(WSS300)では、52名のライダーがエントリー。日本人ライダーとしては、岡谷雄太(DS Junior Team)が参戦を開始した。

 岡谷はスーパーポールで30番手以内に入らなかったすべてのライダーが参加する、ラストチャンス・レース中に出走。ラストチャンス・レースは、トップ6に入れば決勝レースのグリッド31番手から36番手に並ぶことができるというものだ。しかし岡谷はこのレースで転倒を喫し、決勝レース進出はならなかった。

 以下、SBK第3戦アラゴン レース2の順位結果。

■SBK第3戦アラゴン レース2 順位結果(18周)

Pos. No. Rider Team/Machine Time/Gap
1 19 A.バウティスタ Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 33’16.448
2 1 J.レイ カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 6.867
3 7 C.デイビス Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 7.127
4 91 L.ハスラム カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 7.581
5 22 A.ロウズ パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 11.549
6 50 E.ラバティ チーム・ゴーイレブン(ドゥカティパニガーレV4 R) 16.797
7 81 J.トーレス チーム・ペデルチーニ・レーシング(カワサキZX-10RR) 17.825
8 60 M.ファン・デル・マーク パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 18.788
9 21 M.ルーベン・リナルディ バーニーレーシングチーム(ドゥカティ パニガーレV4 R) 19.329
10 11 S.コルテセ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 20.351
11 33 M.メランドリ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 23.546
12 66 T.サイクス BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 23.974
13 2 L.キャミア モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 35.177
14 23 清成龍一 モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 1’01.477
15 28 M.ライターベルガー BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 1’39.168
RET 52 A.デルビアンコ アルティア・ミエ・レーシングチーム(ホンダCBR1000RR) 8 Laps(リタイア)
RET 54 T.ラズガットリオグル ターキッシュ・プセッティレーシング(カワサキZX-10RR) 11 Laps(リタイア)

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