更新日: 2019.04.09 23:14
MotoGP:マルケスのアルゼンチンGP独走優勝に向けた周到な準備。序盤のペースは「誰にも負けないとわかっていた」
2019年のマルケスは、フリー走行1回目(FP1)から決勝に向けて準備を整え、初めから独走で勝ちをねらっていたように見えた。FP1では前後ソフトタイヤ1セットで18周を走り、最終ラップに1分39秒827のベストを記録。FP2ではフロントのミディアムとハードを試し、セッション8番手に終わったものの、フリー走行3回目ではフロントにハードとソフト、リアはミディアムとソフトの組み合わせを試しながら、3回目のコースインで前後ソフトのニュータイヤを履くと、1分38秒台を連発した。
予選Q2直前のフリー走行4回目では1回目のコースイン直後にトラブルに見舞われるという計算外の出来事があったが、マシンを乗り換えてトップタイムを記録。そして、Q2ではアタック2回目でミスしたものの、3回目のアタックでウイーク中の最速ラップとなる1分38秒304を記録してポールポジションを獲得した。他のライダーが2回のアタックでQ2に臨んだなか、マルケスは当初から3回のアタックを行なう予定だったとのことだ。
そして、決勝朝のウォームアップセッションは雲が低くたれこめ、天候の変化も予感させるセッションとなった。ほとんどのライダーがスリックでコースに出たなか、マルケスは前後ウエットタイヤを履いてコースイン。おそらくこれは決勝が天候の急変でフラッグ・トゥ・フラッグになることを想定して、ウエットタイヤの皮むきを行なったのではないかと思われる。
このように、アルゼンチンGPのウイーク中、マルケスはすべてのセッションで周到な準備を行なっていた。それが、決勝での圧倒的な独走につながったのだ。
決勝を終えたマルケス「今日は完ぺきな一日になった。今大会は、FP1から集中してきたが、すべてがうまくいった」と次のようにレースを振り返っている。
「FP4でちょっとした問題があったが、プッシュし続けた。決勝では、序盤の5周のペースが誰にも負けないことがわかっていたから、そこで全力を出した」
「周回するごとに、後続との差が1秒、2秒、3秒と広がったのを確認し、そこからは自分のリズムで落ち着いて走った。そのあとも、少し力を抜いてプッシュしたけど、マシンのフィーリングはとてもスムーズで、タイヤとマシンをうまくコンロトールすることができたよ」
次戦の第3戦アメリカズGPは、マルケスが得意とするサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)が舞台となる。COTAでは2013年から6連勝を飾っており、2019年も優勝候補の最右翼ということが言える。