更新日: 2019.04.24 20:32
MotoGP:懐の深いマシン素性のスズキGSX-RR。リンスが王者争い候補に名乗りを上げる
リンスは開幕戦カタールGPで4位、第2戦アルゼンチンGPで5位に入賞。アルゼンチンでは予選結果に課題を抱えていたが、第3戦アメリカズGPでは7番グリッドからスタート。レースはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を得意とするマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がリードしていたが転倒。リンスはバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)に続いて2番手に浮上すると、残り4周でロッシを交わしてトップに立ち、追いすがるロッシを振り切って初優勝を達成した。
「優勝できたなんて信じられない思いさ。うれししすぎて言葉もないよ。朝のウォームアップでセッティングを変更してみたんだけど、フィーリングがあまりよくなかったから、決勝はいつものセッティングに戻したんだ」とリンスはレース後に喜びを語った。
「終盤のバレンティーノとのバトルはちょっと苦しかったし、プレッシャーもあったけど、とにかく最後まで集中を切らすことなく走り切った。チェッカーフラッグを受けた瞬間に喜びが一気に込み上げてきて、なんとも言えない思いだったよ。チームのみんな、日本のスズキスタッフ、そして自分を支えてくれている全ての皆に心からお礼を言うよ。本当にありがとう」
リンスの勝利は、スズキのライダーとして最高峰クラス(500cc/MotoGP)では通算21人目となる。スズキは500cc時代の1993年にケビン・シュワンツが、2000年にケニー・ロバーツ・ジュニアが世界チャンピオンを獲得しているが、MotoGPとなってからのタイトル獲得はまだ実現できていない。
シュワンツ、ロバーツ・ジュニアの時代は、どちらかと言えば、エースライダーに合わせたマシン作りを行ない、タイトルを獲得してきたが、現在のGSX-RRはライダーを選ばない、懐の深いマシン素性のよさを持っており、それはビニャーレス、リンス、ミルとルーキー時代から活躍を収めていることでも証明されている。
リンスはこの勝利でランキング3位に浮上、チャンピオン争い候補のひとりに名乗りを上げた。これから始まるヨーロッパラウンドで、リンスとミルがGSX-RRでどんな活躍を収めるかに注目だ。