レース折り返しの14周を終えた時点で、トップはマルケス、2番手にミラー、3番手にドヴィツィオーゾというトップ3。ロッシはペトルッチに交わされ、5番手に後退していた。

17周目、2番手を走っていたミラーがコーナーではらんだすきに、ドヴィツィオーゾが2番手に浮上。ミラーは3番手に後退した。2番手のドヴィツィオーゾ、3番手のミラー、4番手のペトルッチの差は等間隔ながらも、集団を形成しつつあった。
19周目、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が11コーナーで転倒。怪我はなかったようだがここでリタイアとなった。

レース終盤、ペトルッチがミラーを交わして3番手に浮上する。ペトルッチはドヴィツィオーゾの背後につけ、チャンスを伺う。ドゥカティ・チームのチームメイト同士の一騎打ち。その背後にはミラー、そして再びロッシが迫る。
ペトルッチは残り3周でドヴィツィオーゾに仕掛けるも、ドヴィツィオーゾは2番手を譲らない。2番手のビニャーレスと3番手のペトルッチはテール・トゥ・ノーズのまま、最終ラップに突入する。
一方、マルケスはドヴィツィオーゾに対し約2秒の差を築いて、ポール・トゥ・ウインを飾った。これは、ホンダにとってロードレース世界選手権の最高峰クラスにおける300勝目という節目の勝利でもあった。
チームメイト同士の2位争いを制したのはドヴィツィオーゾ。第2戦アルゼンチンGP以来の表彰台を獲得した。3位に入ったペトルッチは実に2018年のフランスGP以来、1年ぶりのポディウム登壇。また、ペトルッチにとってドゥカティ・チームに移籍後初の表彰台獲得となった。
4位は序盤にマルケスとトップ争いを見せたミラーで、ロッシはヤマハ勢トップの5位フィニッシュ。中上は前述のとおり、レース中の転倒で今季初のリタイアでレースを終えている。